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「プログラミング教育必修化」に備えて、学校側がしておくべきこと
「学校ICT」をテーマに、今、小学校教育の現場にいる人たちが知っておくべき情報を紹介・解説していく本連載。
第1回目では教育現場でICT化が推進されている理由について、第2回目では2020年度から必修化されるプログラミング教育についてそれぞれご紹介しました。
第3回目となる今回は、前回に引き続き「プログラミング教育」について、必修化に向けて具体的にどのような心構えや準備をしていけばいいのか紹介・解説していきます。
小学校にプログラミング教育を導入するためには、3つの障壁を乗り越える必要がある
小学校の現場にプログラミングの授業を導入するためには、3つの障壁を乗り越える必要があります。
1つ目は、教員たちがプログラミングについて理解すること。2つ目の壁は、指導体制を整えること。そして3つ目は、ICT環境を整備することです。
プログラミングを子どもたちに教えるためには、まず教員自身がプログラミング、またプログラミング教育への理解を深める必要があります。
そして、それを子どもたちが理解しやすい授業に落とし込む必要があります。
さらに、プログラミング授業を行うためのICT環境の整備も欠かせません。
これらはいずれも現時点では準備が追いついていない学校が多く、「学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議 最終まとめ」でも、課題として挙げられています。
特に3つ目のICT環境の整備は、不可欠な条件整備として特に加速化が強く望まれています。
“情報活用能力を育成し,かつ,各教科等において効果的にICTを活用できるようにするための不可欠な条件整備として,教員の資質・能力の向上や指導体制の整備,教材の充実と並び,ICT環境整備の充実を位置付けるとともに,国が主導的な役割を果たしながら,各地方公共団体において必要なICT環境整備を加速化していくことについて,強く要請がなされたところである。”
引用元:学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議 最終まとめ
では、この3つの障壁を乗り越えるために、一体どうすべきなのか。
「プログラミング教育必修化に向けて、学校側が事前に準備しておくべき3つのこと」と題して、以下に1つずつ取り上げてみたいと思います。
プログラミング教育必修化に向けて、学校側が事前に準備しておくべき3つのこと
1.プログラミング教育の目的を正しく理解し、納得する
前述の通り、プログラミング教育を実際に導入するために必要な第一歩は「教える側(教員)が目的を正しく理解すること」です。
さらにここでは、理解だけでなく「納得すること」も重要だとつけ加えておきます。
理解することができれば授業自体は行えます。しかし、教員自身がその必要性に納得していなければ、子どもたちの力を伸ばし育む「良い授業」を行うことはできないからです。
前回記事でもご紹介しましたが、プログラミング教育の目的は、「プログラミング的思考」=「論理的に思考する能力」を育むことです。
決して「プログラミング」そのものが目的ではないということは、教育者全員でしっかり認識を合わせておきたいポイントです。
そして、論理的思考力を養うためにプログラミング教育が必要であるということを皆が納得するためには、一度実際にプログラミングを体験してみることが大切です。
実習等の機会で実際にプログラミングを体験することで、プログラミングに親しみがない教員も、プログラミング教育が必要であることを納得しやすくなるでしょう。
2.指導体制の整備―自校に合ったカリキュラムを考える
次に課題となるのは、指導体制の整備です。
実際に授業を行うためには、自校の予算やICT環境を考慮した上で最適なカリキュラムを考える必要があります。
これについては、限られた予算・最低限の設備でできる「モデル授業」を考える取り組みが既に各地ではじまっているので、それらを参考にするのが良いでしょう。
また、モデル授業やカリキュラムを考える際は、ICT支援員の力を頼るのも良い手です。
ICT支援員は今、全国的に増員の取り組みが進んでいます。準備に時間がかかり、専門的な知識をすぐに蓄えるのが難しいプログラミング教育を実施するにあたり、ICT支援員は大きな助けになってくれるでしょう。
3.ICT環境の整備―必要な機器を揃える
最後の課題は、ICT環境の整備です。
プログラミング教育を行うためにはICT機器を用意する必要がありますが、ここではどのような機器を何台揃えればいいのか、具体的に考えていく必要があります。
たとえば、30人学級×24クラス(1学年4クラス)=720人の生徒がいる学校の場合、プログラミング教育用のタブレットは何台あれば足りるでしょうか。
もちろん、理想は1人に1台ですが、冒頭の段落でもご紹介した学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議 最終まとめには、
“最終的には「1人1台専用」が望ましいが、当面、全国的な学習者用コンピュータの配備状況等も踏まえ、各クラスで1日1授業分程度を目安とした学習者用コンピュータの活用が保障されるよう、3クラスに1クラス分程度の学習者用コンピュータの配置を想定することが適当である。”
という記載があります。
そのため、最低限の数と考えると、例で挙げた24クラスの場合は24クラス÷3=8クラス分の240台を用意し、授業の際に利用すれば良いということになります。
おわりに
プログラミング教育を行うためには、「目的の理解」「指導体制の整備」「ICT環境の整備」という3つの障壁を乗り越える必要があります。
実習やモデル授業を通してプログラミング教育への理解を深め、適切な助けを借りつつ最適なカリキュラム構築に取り組むのが、プログラミング教育導入を成功に導くポイントです。
ICT環境については必要な機器の数を簡単にご説明しましたが、厳密に言えば学校ごとに必要な設備・機器は変わってきます。
そのため、より自校に合った最適な設備環境を整えたい場合は、環境構築に詳しい会社に相談すると良いでしょう。
NECフィールディングでは学校に応じて最適な設備を配備することができます。
必要な機器を必要な数だけ揃えることができるため、予算を使いすぎることはありませんし、授業が始まってから機器が足りないと慌てる心配もありません。
最適な設備を導入したい方は、NECフィールディングまでお気軽にご相談ください。
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