2021年8月18日テレワークを導入または検討中の企業が抱えている課題

テレワークマネージャーとは、総務省が主導する「テレワークマネージャー相談事業」において、テレワークの導入を検討している企業・団体などに、アドバイスや情報提供を行う専門家のことで、テレワークマネージャーをしながら思ったことはテレワークには成功できる手順がある。
この通り進まない場合は後戻りすることや、最悪の場合は最初から検討することになる場合がある。
テレワークマネージャーに相談するケースは前者である後戻りするケースの相談多いので、以下の手順を参考にして進めるとよい。

①関係各所が全員集まり、共通認識を持つことから始めるのが肝心である。

労働組合がある企業は労働組合と共通意識を持たなかったことで後戻りや足踏みをすることが多いので、共通意識を持つとスムーズに進める

②全体方針を決定する:ブレない目的を決めなかった場合、後戻りする

  • ・規程を決めるうえでもシステム・セキュリティを決めるうえでも全ての根底にある
  • ・最終目的は何か。テレワークは手段であり、最終目的が定まっていないと入れて終わりになってしまうためだ

③ルールを作る

今までの会社のためのルールから従業員のためのルールへ。使われる制度を策定する

④ICT環境を作る

ここで初めてICTの現状とテレワーク導入の目的に合わせて、ICTに係る環境を整える

⑤セキュリティの対策をする

選択したICTに係る環境に合わせて、セキュリティ対策を整える

⑥テレワークの実施

ここまでくればトライandエラーを繰り返し、ブラッシュアップしていくこと、意識改革ができた企業は成功するのである。

6つの手順を書いたが、テレワーク最大の課題は今も昔も情報セキュリティ対策をとっているかである。
サイバー攻撃など日々ニュースで流れ話題になっているが、多くの企業は漏えいしたことを気付かず外部から指摘されて初めて対応することが多い。
ここで大事なのは初動対応の遅れが企業経営に大きく影響してくるのである。自社内の運用で対応している企業もあるが、外部の専門家に委託していることが多い。自社内で対応できないと判断した場合は、素早く信頼できる専門家に相談する方がよい。

では実際、テレワークを導入後はどうだろうか。
テレワークマネージャーをしながら、よく聞くのは人事評価やメンタル・健康管理面におけるケア、コミュニケーション不足などが顕在化してきた。

人事評価における問題は時にメンタルの問題へと発展することもある。
テレワーカーの過重労働、メンタルヘルス問題など、テレワーク導入によるコミュニケーション不足で発生しうる問題だが、企業の安全配慮義務の問題にもつながる。
例えば、上司は出社している時なら日ごろ把握できたことが、在宅になった途端、健康やストレス、仕事への集中度合など確認できず、不安にさいなまれる。
一方、部下の方ではどこまで仕事をすれば評価してもらえるのかわからず、過重労働になってしまい、最悪の場合労災寸前になる場合もある。
ここでアドバイスするのは、目標評価制度をとっている場合は在宅でも目標を到達できればパフォーマンスは変わらないため通常勤務と同じ評価をすること、プロセス評価を導入している企業では社員に関しては毎日の業務報告や社内SNSやWeb会議システムなどを駆使してコミュニケーションを取れば良いということだ。今まで会議や外出などで席にいない上司が在宅では必ずPCの前に座っているため、ツールを利用して、情報共有したり、質問したりとコミュニケーションが円満になり、意思決定のスピードが速まった会社もある。

また、コロナ禍でよくあるのは孤独感や常に家族といることによるストレス、職(Work)と住(Life)の近接化(外出・通勤の自粛)など通常とは違う状況で勤務することへのストレスもある。
例えば、健康被害については会社と同じ照明を確保できないことから眼精疲労による頭痛やパソコンを見る時間が増えたため、視力の低下がみられる。
また、机と椅子が用意できない場合は腰痛や肩こりが見られることもある。特にソファーや座椅子などに座って業務を行う方に多く見られるのである。
解決策としてはサテライトオフィス勤務や、最近は会社の椅子やモニターを自宅に送る企業もいるようだ。

工数ビジネス(作業量に応じて費用を支払うビジネス)におけるクライアントの壁の打破や現場・接客部門がいだきがちな不公平感の払拭も大きな課題である。
一括請負比率を高めて自社で仕事をして貰う環境を整える所もあれば、現場・接客部門のテレワークを変革する可能性があるAR・遠隔操作といった先端技術を検証するところもある、例えば工場や自動車整備、ビルメンテナンスの企業などはARにより熟練技術者のノウハウを新人へ教育するなどしてテレワークが進んでいるところもある。

また、テレワークに変わる福利厚生を用意することで不公平感払拭するところもあれば、テレワーク時は残業禁止にして交通費も浮くことからその分を使用して出社手当を出すところもある。

間接部門に関しては電子印やRPAなどの浸透によりセキュリティを確保しつつ人事・経理業務の出来ることが少しずつ増えてきている。これにより単純作業から付加価値業務へシフトすることができ、生産性も向上する。
DXを推進する企業も増えてきたことから、AIを使ったチャットボット・OCR技術も進化してきており、一躍買っているのである。
このようにIT技術は常に進化し続けているため、情報システム部門は常にアンテナを張り巡らせテレワーク出来ないと言われている業務を減らしていくことが重要である。

執筆者の紹介

家田 佳代子(いえだ かよこ)氏

総務省テレワークマネージャー / 日本テレワーク協会 講師 / 日本テレワーク学会会員 / GOLF KING株式会社 監査役・相談役

  • ・自身が母親の介護と育児のWケアのため介護離職を経験
  • ・半導体メーカーにてテレワークシステムを導入、介護をしながら業務を可能に
  • ・鉄道系ICカード会社にて情報セキュリティ責任者に就任
  • ・各業界で活躍しているスタッフが集結し女性支援会社を設立 代表取締役社長兼CEOに就任
  • ・人材系SIerにてディレクターに着任、ワークスタイル変革事業立上げ、総務省テレワー・ク実証事業の事業責任者をする他、企業への導入を支援
  • ・合同会社ジョイン設立代表兼CEOを務める
家田 佳代子

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