2019年11月19日

 

製造業の生産性向上とは?ポイントとソリューションについて紹介

生産活動の高度化 ~ 製造業ソリューションマップ ~

労働人口減少に対応する為の生産性向上や働き方改革の推進など、企業を取り巻く環境はさらなる改善を求められており、製造業においても、IoTを用いた生産性の向上、自動化や作業環境の改善などへの要望が高まっています。

今回は、製造業の生産活動の高度化を進めるために採用されている、さまざまなソリューションについて紹介します。

製造業における生産性向上とは

「ある一定の期間で労働者1人あたり、どれだけ付加価値のあるものをつくり出せるのか」を示す指標が生産性です。つまり、製造業における生産性向上とは、資金や人材、資産などの経営資源や工数を増やさずに、「1人あたりが生み出す成果(生産数)を増やせたかどうか」を示す言葉になります。

製造業で生産性を向上させるためには、製造の過程に生じるムダやムリ、ムラなどを省いて、作業者の作業能率を上げる必要があります。

しかし、製造業においては、製品のつくり過ぎをはじめ、加工のやり方、運搬方法、在庫管理、不良品の発生、作業者の動作、作業者の手待ちなど、さまざまな工程にムダが発生しています。製造過程の生産管理を徹底しこれらのムダを減らすことで、生産性を向上させることができます。

そこで近年注目されているのが、生産管理にIoTの活用することです。IoTによる生産管理によってさまざまなムダを減らし、製造業の生産性を向上させていくわけです。

生産性を高めるIoT

生産効率と品質をいかに両立させるかという命題は、製造業にとっての生命線と言っても過言ではありません。IoTの導入もまさにこの生産性の向上を目的として進められてきました。

生産管理の強化

工場の稼働率を高めるためには、さまざまな情報をもとに効率の良い生産計画を立てなければならず、受注から、材料・仕掛・完成品の在庫、発注状況などの各工程の状況を一元管理する生産管理システムは、今や必須のツールとなりました。

ものづくりの工程を可視化する生産管理システムをさらに強化するための、工場の状況や各種資材の所在管理を行うシステムも既に実用化されています。

生産管理の強化

所在管理

所在管理システムとは、各種のセンサーを用いて資材、仕掛品、製品の位置を特定管理するシステムです。2次元コードやRFタグなどを用いて、所在管理を自動化し、生産管理の精度を高める機能が含まれています。

故障予兆

最新の故障予兆システムでは、設備に振動、画像、温度、圧力などのセンサーを取り付け、常時監視を行います。収集したデータはAIで解析され、そのうえで行われた故障予兆をもとに計画的なメンテナンスが可能で、不慮の故障による計画の乱れを防止できます。
 

品質管理

製造業にとって、生産効率と品質の向上は両立すべき課題です。

IoTを用いた検査工程の自動化は品質管理体制の充実に大きな効果を発揮します。品質管理体制の向上のためには、初期管理の強化、量産後の継続的な品質保証体制の構築、不具合発生時の原因調査とフィードバックのスピードアップなどが必要です。

検査の自動化ができれば、検査頻度や記録内容の拡張、リアルタイム性の確保が可能となり全体的な品質保証体制の基礎データが取得できます。

検査工程の自動化

NECフィールディングの自動検査システムは、CCD縮小光学系スキャナの改良により、広い被写界深度、高解像、高速撮影など幅広いニーズに対応できます。光源を含んだ撮影環境の構築が可能なため、現場でのメンテナンス性を確保するなど、従来の画像検査の課題の多くを解決しています。
 

オペレーション支援

IoTのメリットは、情報の取得、整理、解析を自動化できるという特徴によるものが多くあります。実はこれらの面をカバーする充実したソリューションがあります。

工場ネットワーク

工場内外の情報通信全般をアシストするソリューションを指します。

IoT化により、扱うデータ量が増加するため、耐障害性、拡張性、メンテナンス性などのバランスを取りつつ、工場内外を結ぶネットワークを構築します。

データ分析

工場のIoT化が進むと多くのデータを得られますが、そのデータをもとに適切な判断を行わなければなりません。人間が必要な判断をくだすためにも、次のようなデータ分析技術でアシストします。

  • ・オーダ別滞留分析、コスト積算分析、稼働実績などのスループット分析
  • ・作業動線や設備配置、みずすましの動線分析などのオペレーション分析
  • ・物体指紋活用による個体識別や自動検査データ解析による品質異常の早期把握

工場コックピット

工場コックピットとは、工場運営を行ううえで、工場各所から取得した情報をユーザのロールに合わせて整理、分析して表示するシステムのことです。工場ネットワークで採取、データベース化した、生産、品質、設備稼働などのリアルタイム状況と分析結果を可視化し、ユーザが最適な判断を行うためのアシストを行います。
 

まとめ

工場のオペレーション効率を高めるためには、正確な情報に基づき、素早い判断を下していく必要があります。IoTはこのオペレーションの精度アップのために不可欠な要素となっています。

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