2019年6月11日
「RE100とは?」加盟する企業のメリット・参加条件について
近年、世界の大企業がRE100という活動への参加を表明しています。日本でも参加企業が増えており、ソニー、RICOH、富士通と言った大手企業の参加が相次いでいます。ここでは、注目を浴びるRE100とは何か、世界的な取り組みと、加盟のメリットや支援サービスについて紹介します。
RE100 とは何か
RE100とはRenewable Energy 100%を略した名称で、事業で使うエネルギーを再生可能エネルギーによって100%まかなうことを目的とした企業が加盟するイニシアチブです。2019年5月30日時点では世界176社、日本企業19社が加盟しています。
参考サイト:https://www.there100.org/re100-members
RE100の参加条件
RE100に参加する企業は、事業で使用するエネルギーを再生可能エネルギーでまかなうこと事を目標とする宣言と、毎年の活動報告書を提出しなければなりません。事業所ごとではなく、国内外にある全事業所で取り組む必要があります。
参加対象となる企業
RE100の参加対象企業になるためには、以下の4つの項目のうち1つ以上の項目に該当している必要があります。
- ①世界的または、日本国内で認知度や信頼度が高い企業
- ②フォーチュン・グローバル1000(世界総収益上位1,000社)以内にランキング、または同等規模以上となる多国籍企業
- ③電力消費量が100GWh以上(日本企業の場合は10GWh以上)になる企業
- ④RE100の目的に利益をもたらす、国際的、または地域的に影響力を持つ企業
基本的には、親会社から見た50%以上の支配率の子会社を含むグループ企業全体での参加が求められます。ただし、親会社と明確に分離したブランドがあり、1TWh以上電力消費量を満たす企業の場合には、例外的に子会社単体でのRE100参加が可能になります。
RE100を実現するための日本企業の取組み
RE100には日本企業も参加しています。代表的な3社の取り組みについて紹介します。
RICOH
国内でRE100への参加を最初に表明したのはRICOHです。RICOHグループの使用電力のうち、再生可能エネルギーの割合を2030年までに30%、2050年までに100%まで引き上げることを宣言しました。
参考サイト:https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000268766.pdf
積水ハウス
国内で2番目の参加企業は積水ハウスです。
積水ハウスは、RE100の目標として、2030年までに50%、2040年までに100%を再生可能エネルギーに転換する事を掲げています。再生可能エネルギーの調達先として、自社が販売した太陽光発電システムが生産した電力の買取りを計画しています。
参考サイト:
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/topics/datail/__icsFiles/afieldfile/2017/12/20/20171020.pdf
丸井グループ
丸井グループは、2025年までに70%、2030年までに100%を再生エネルギーに転換する事を目標としています。みんな電力株式会社の電源のトレーサビリティ技術を利用することで、再生可能エネルギーの調達を実現します。
参考サイト:
https://www.0101maruigroup.co.jp/pdf/settlement/18_0710/18_0710_1.pdf
RE100に参加する背景/企業のメリット
国内でもRE100への加盟が増えている背景としては、世界レベルで上がった環境保全の意識以外に、将来的に具体的な効果が得られると言う判断が挙げられます。
イメージアップにつながる
従来の脱炭素化への取り組みは、環境及び社会に悪影響のない企業であることを顧客となる企業や消費者にアピールできると言う、CSR(企業の社会的責任)の観点から評価されてきました。
再生可能エネルギーでコスト削減も可能
近年では、エネルギー調達や天然資源、人的資源などの継続的な利用可能性が長期的な企業リスクとして認識されるようになり、E(環境)S(社会)G(ガバナンス)に対する投資が企業の直接的な利益に結び付くと評価されています。
とくに資源の少ない日本ではエネルギーコストが割高であるため、再生可能エネルギーに積極的に投資を行うことで低コストの調達先を作れば大きなメリットになります。また、再生可能エネルギーと連携したサービス開発も可能になるでしょう。
参照:https://president.jp/articles/-/27626
NECフィールディングのRE100サービス
NECフィールディングのRE100導入支援サービスでは、段階的な目標達成の為の計画立案や、必要なソリューションの提案、運用、保守が一貫して提案可能です。大企業のみならず、中小企業に対しても導入しやすい内容となっています。
システムの計画、設計
RE100に参加するためには、2050年までに電力のすべてを再生可能エネルギーに転換しなければなりません。まずは自社のエネルギー使用状況について現状調査を行い、段階的にエネルギー源を転換するための計画が必要です。
NECフィールディングであれば、現状を調査し、エネルギー源を選定、段階的な導入と効果の報告を行うためのスキームを含めた保守、運用が可能です。
省エネ設備の導入と、再生可能エネルギーの調達
照明のLED化や省エネタイプの空調設備の導入など、事業所の省エネ化や、太陽光発電、蓄電池システムの導入、エネルギー管理システムの導入等、目標値達成の為の設備導入を支援します。
まとめ
最近では、脱炭素化、再生可能エネルギーの活用といった活動が、イメージアップにとどまらず実利を伴う事業戦略として認められつつあります。長期的な企業価値を高めるためにも、できることから再生可能エネルギーの採用を試みてはいかがでしょうか。