2020年8月3日JUKI株式会社様 マルチメンテナンス導入事例

JUKI株式会社様

DATA
JUKI株式会社

 

juki_rogo


設立:1938年12月
資本金:180億4471万円
代表:清原 晃 氏
社員数:5,762名(連結)
URL:https://www.juki.co.jp

 

工業用・家庭用ミシン、産業装置を中心にグローバルに事業を展開。産業装置では電子機器に組み込まれるプリント基板生産ライン向けに、チップマウンタをはじめとする各種基板製造装置、基板検査機、自動倉庫などを製造・販売する。製品の83%を海外で販売。工業用ミシンは180カ国以上で販売され、世界シェアトップを誇る。

自動倉庫「ISMシリーズ」の保守業務を
NECフィールディングへ

工業用ミシンで世界のトップシェアを誇るJUKI。
事業領域拡大の一環として製造・販売を始めた電子部品を管理する自動倉庫「ISMシリーズ」は全国のSMT工場などへの導入が進んでいます。
その保守がNECフィールディングにアウトソーシングされました。

順調に販売が伸びている自動倉庫「ISMシリーズ」

――製造業の世界でスマートファクトリー化が進むなか、業界初の自動倉庫「ISMシリーズ」の販売が拡大しています。

若林 「ISMシリーズ」は元々イタリア・ESSEGI社製品を2007年から当社の販売会社が扱っていたのですが、2014年から日本とアジア向けの商品は日本国内にあるJUKIのグループ企業が製造しています。最近は工場のライン用だけではなく、厳重かつ繊細な管理・入出庫が求められる宝石用の保管庫として購入いただけるなど、用途の拡大も見られます。

植草 JUKIはこれまで「工業用ミシン」や電子部品をプリント基板に配置する「チップマウンタ」を主力商品としてきましたが、近年は「事業領域の拡大」を主要なビジネス方針に掲げ、実装ラインの他の製品の製造・販売にも注力してきました。「ISMシリーズ」の製造・販売はその一環です。

ISMシリーズ写真

――自動倉庫の保守とはどのような作業を行うのですか。

若林 「定期点検」でのメンテナンスと「故障などトラブル時の修理・対応」の2つに分かれます。「定期点検」はマシンの稼働部位やキーパーツの状態確認、清掃・給油など一連の作業をして、最終的には動作確認をします。自動倉庫はラインのスタート地点に配備されるだけに、スムーズに稼働してもらわなければ困る装置です。それだけに「定期点検」による未然のトラブル防止や迅速なトラブル対応など、保守が重要となる製品といえます。充実したサービス網で顧客ニーズ対応が可能 。

――保守業務をアウトソーシングするようになったきっかけは?

若林 最初は東京と大阪にある当社のサービス拠点が対応していました。しかし「ISMシリーズ」が順調に売れ、日本各地の工場に導入されるようになって、当社のサービス部隊だけでは十分に対応できなくなりました。

植草 私を含め担当部署の何人かが、以前から業務上の付き合いを通じてNECグループへの信頼感を持っていたので、そのサービス専門企業であるNECフィールディングにお声がけしました。もちろん他社も検討したのですが、ソフトウェアしか対応しなかったり、ハードウェアのみの対応だったりと満足できる内容ではありませんでした。唯一NECフィールディングだけは、トータルにどんなことでも対応するという姿勢を示していただき、2018年からお任せすることに決めました。

植草 敬一氏

JUKI株式会社
コーポレートオフィサー
カスタマービジネスカンパニー
カンパニー長
植草 敬一 氏

――アウトソーシングによって保守の課題は改善されましたか。

若林 宙伸氏

JUKI株式会社
カスタマービジネスカンパニー
サービスソリューション部
部長
若林 宙伸 氏

若林 NECフィールディングは全国約400カ所にサービス拠点を持っているので、機動性に優れ、お客さまの希望に沿った定期点検計画を立てられるようになりました。
また、保守を担当するにあたって、 NECフィールディングがサービスクオリティ標準化のために自主的に作った「保守マニュアル」は素晴らしい出来のドキュメントと感じました。
アウトソーシングを始めたばかりということもあり、今は当社社員も定期点検に立ち会っていますが、 NECフィールディングの事前準備はとてもしっかりしています。まだ「トラブル対応」が必要なケースは発生していませんが、サービス拠点の多さと体制の充実ぶりから、そうしたケースでも的確で素早い対応が期待できます。

サービスを「コスト」から「ビジネス」に転換

――JUKIのビジネスのあり方もこれから大きく変革していく?

植草 私が所属するカスタマービジネスカンパニーでいえば、これまでサポートや保守などのサービスは「会社のコスト」という認識でした。そうではなく、それを「ビジネス」として大きく育てていこうというのが当社の「事業領域拡大」の考え方です。
今回のNECフィールディングへの保守委託はまさに好例で、充実した体制で「定期点検」というメンテナンスを行うことで「予防保全」という新たな付加価値を生み出します。例えばトラブルごとにお金をいただいて対応するのと定期点検でトラブルを未然に防ぐのとでは、仮に同じ保守コストだったとしても、お客さまにとっての付加価値は後者の方が5倍以上大きいでしょう。約400カ所のサービス拠点による「トラブル対応への備え」という安心感も同様の付加価値です。
実際、「ISMシリーズ」の販売では1年間の無償保守サービスを付けて、お客さまが満足していただければ2年目から有償の保守サービス契約を提案していますが、その販売実績が少しずつ積み上がっています。このように、保守サービスを当部署の新たなビジネスモデルとして確立できたことには大変感謝しています。

ドキュメント化されていない経験知のシステム化を望む

――今後のNECフィールディングに対するご期待・ご要望は?

若林 「ISMシリーズ」以外にも保守を委託する製品を増やしたいと考えていて、最終的には日本のお客さまはラインごと任せるようにしたいですね。もっとも、当社製品は高精度でベテランの技術者しか保守できない製品も多いので、そのハードルは高いのですが。

植草 つまり保守作業に、ドキュメント化されていない経験知や勘が必要なものが多いため、NECフィールディングに多くの製品の保守を委託するためには、様々なトラブルのケースを情報として集約し、それをシステム化・共有化できるかどうかがカギとなります。逆に言うと、当社の製品はこれまでトラブル対応した担当技術者にのみ経験知が残り、同じようなトラブルが発生した時その人しか直せないケースもあったのが課題でした。NECグループはトラブル内容を多面的に解析することにとても長けています。解析結果の情報共有を通じて、どの技術者でも保守に対応できるという、サービスクオリティ均質化のシステムをぜひ当社と共に構築していただきたいと考えています。

若林 さらに保守業務を通じて当社製品に精通したNECフィールディングの技術者が、有償保守サービスや関連部品・装置などの営業提案にも関わってもらいたいという現場の声があります。技術者による知識と現場経験に裏打ちされた提案は強い説得力があり、お客さまのニーズを的確に捉えられるからです。ぜひ、そのあたりを期待したいですね。

全員写真

担当者からひと言

向後 直人

NECフィールディング株式会社
マルチメンテナンス事業部
特定業種サービス営業部

「ISMシリーズ」は当社が請け負う装置としては最大サイズの製品です。製造ラインにおける重要装置ということもあり、担当できることに誇りとやりがいを感じています。さらなる信頼を得て、他の製品の保守もお任せいただき、JUKI様のサービス事業の付加価値向上・事業領域拡大に貢献させていただきたいと思います。

向後直人

 

部門紹介

マルチメンテナンス事業部

西村 延之

マルチメンテナンス事業部長

自動倉庫など工場設備系の保守は、特定業種サービス営業部がこれから特に力を入れたいと考えている分野です。工場設備は多様なIT機器が数多く設置され、NECグループが長年蓄積してきたノウハウが保守に生かせる対象だからです。さらに、例えば大型冷蔵庫などの冷設機器の保守にも注力していきます。当社の国内約400カ所のサービス拠点を活用することで、コンビニ冷蔵庫等の保守事業を機動的に展開できると自負しています。

西村延之部長

 

  • ※この記事は、当社発行の広報誌ふぃーるでぃんぐ145号に掲載したものです。
    ※記載されている役職等の情報につきましては、2020年3月6日時点のものです。
    ※記載されている製品名は各社の商標または登録商標です。

    詳しくはこちらのサイトをご覧ください。

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