2017年5月19日第4回 スミロン様 マルチメンテナンス導入事例
迅速な故障対応と保守部品の在庫管理が省力化
―― 実際にNECフィールディングに保守を依頼し、その成果はありますか。
春山 大いに助かっています。当社は機能材料のメーカーで、お客さまに納品すれば現場で保守することはありません。だから装置を開発し製造・販売しても、そもそもメンテナンスという考えがあまりありませんでした。そのため、最初は自分たちで対応できると軽く考えていたのです。でもそれが無理と分かって、その段階でどんな保守体制が必要なのかを考え始めたんです。だから最初はうまくいきませんでした。
その後、NECフィールディングに依頼して、全国の拠点から保守に駆け付けてもらえるだけでなく、保守部品もNECフィールディングの川崎のセンターで一括管理してもらえることで、我々の作業負荷は格段に低くなりました。
また、エコムシュウが導入されている中部のサービス拠点のカスタマエンジニアを一カ所に集めて、当社の技術スタッフが講師になって研修会を行った際、皆さんが真剣に勉強しようとしていることで安心感が生まれました。
―― 病院や介護施設がお客さまの場合、何か特別な配慮が必要になるのでしょうか。
春山 命に関わる装置ではないので、故障したらすぐ修理を求められるというものではありませんが、それでも従来は修理に3~4日かかっていたものが翌日には修理が完了するなど、迅速に対応できるようになりました。また、エコムシュウを使用するのは病院なら看護師さん、福祉施設なら介護福祉士さんということになりますが、使用環境によって故障する頻度もまちまち。またオムツ交換の時間はだいたい決まっているので、修理を行うならばその時間の前に済ませる必要があります。そうした部分でも保守作業を配慮してもらっており、最近ではお客さまからもメンテナンスの質が高いとお褒めの言葉をいただくようになりました。保守体制がようやく整ってきたかなと感じています。
全国の病院・介護施設への販売での協力に期待
―― 今後の展開について教えてください。
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春山 現在はエコムシュウは1機種ですが、2017年夏にもう1機種追加し、その後もバリエーションを増やしていこうと考えています。今、お客さまとなっている病院・介護施設は約380カ所ですが、我々がターゲットにしているベッド数100床以上の病院・介護施設は全国で1万カ所あるといわれています。まだまだ市場の開拓余地があるということです。 |
ただ一つ悩みがあって、それはエコムシュウがオンリーワンな製品であることです。そのため製品の認知度自体が低く、機能も比較できないのです。筐体を見てもどんな装置なのかが分からない点が悩みなんです。
また、製品のバリエーションが増えて、さらにお客さまを開拓するといったときに、販売の営業体制が足りないという懸念はあります。これはすでに取り組んでもらっていることですが、販売についてもNECフィールディングの営業力の助けを借りるというトライアルを始めています。それが全国規模で可能になれば、我々は製品開発に集中できますし、事業をさらに発展させていく基盤も手に入れられると考えています。
濱本 剛
NECフィールディング
メンテナンスサービス営業本部
東日本サービス営業部
シニアエキスパート
「IT機器以外のサービスを本格的に始めていくつか事例ができました。スミロン様からはエコムシュウの対応についていろいろご教示いただいています。この事例は我々にとって、IT以外の機器保守サービスを軌道に乗せるための試金石。今後、エコムシュウ事業が発展するために保守サービス以外でもお手伝いできればと考えています」

藤田 学
NECフィールディング
メンテナンスサービス営業本部
東日本サービス営業部
主任
「新聞記事を見てスミロン様のライフケア事業を知り、お役に立てることがあるのではないかとアプローチさせていただきました。関西地区のサービスからスタートし、ご評価をいただき、今では全国対応させていただいています。これからもご期待に沿うサービス提供を続けることを、肝に銘じていきたいと思います」

IT機器以外のハードウェアの保守事業の拡大を目的に2016年4月発足。スタッフ数は40人で、東京の本部組織のほか東京支社に兼務者、東北・中部・関西の各支社にもスタッフを配置しています。2017年4月以降は中国、四国、九州にも本部からスタッフを送り込む予定です。IT機器のメンテナンスで得たノウハウをいかして、全国約400のサービス拠点からの技術者派遣が可能なほか、全国約200カ所の倉庫を活用した補修部品の在庫管理・物流、24時間365日対応するコールセンター機能を提供できるのが強み。医療・介護分野のほか、流通企業など多数の店舗を展開する業態、太陽光をはじめとしたスマートエネルギー分野、ロボット分野などでのビジネス展開を図っています。
吉田 智信
メンテナンスサービス営業本部
本部長
「2014年10月から社長直轄プロジェクトとして、IT機器以外のハードウェアの保守ビジネス獲得を目的に活動開始したのが、現在のメンテナンスサービス営業本部の前身です。“Non-IT”分野の拡大で保守ビジネスを成長させることが我々の使命です。現在、30社以上のお客さまの保守を受託しており、そのうち3割は日本の保守網に問題をかかえていた外資系のお客さまです。全国約400カ所のサービス拠点網などNECフィールディングの持つ資産をフルに活用して、これまでお付き合いのチャンスがなかった“Non-IT”のお客さま開拓を加速していくつもりです」

※この記事は、当社発行の広報誌ふぃーるでぃんぐ136号に掲載したものです。
※記載されている役職等の情報につきましては、2017年3月28日時点のものです。
※記載されている製品名は各社の商標または登録商標です。
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