2020年4月1日第13回 社内デジタルトランスフォーメーション(DX)

お客さまへのサービス品質向上へ
DXへの取り組みで4つのサービス

NECフィールディングでは、ITを活用した現場改革を実現するデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んでいます。
2015年以来継続して現場業務の改善を実践し、多くの成果を上げています。
その中から「スマートグラス」、「顧客コミュニティサイト」、「AI問診/AIアサイン」、「故障診断チャットボット」の4つをご紹介します。

 

現場改革の取り組みで非IT分野の保守拡大へ

 NECフィールディングの現場改革の取り組みは2015年の「現場の見える化の実現」から始まった。その後、毎年継続的に現場業務の改善に挑戦してきた。

 特に大きなターニングポイントとなったのが、2017年の「非IT保守」、保守業務の非IT領域への拡大だった。その領域は少量多品種のため、保守対象機器が大きく増加する中で高い品質の保守を実現するためには、ICTを活用した現場改革、DXが必須となっていたのである。ここで数多くの成果の中から四つの取り組みを紹介していく。

スマートグラスでCEの作業をサポート

保守現場へのサポート品質向上のために2年前から活用しているのがスマートグラスである。保守現場で活躍するカスタマエンジニア(CE)の作業をスマートグラスによって遠隔から支援するのが目的だ。スマートグラスサポートセンターの豊富な現場経験を持つ後方支援員からのサポートによって確実な保守業務が遂行できる。

スマートグラスサポート

IT仕事人 野々原伸吾主任

 スマートグラスの導入を推進してきたサービス技術本部テクニカルサポート部の野々原伸吾主任は「保守対象機器がさまざまな業界の専用機器に拡大し、トレーニングを受けていても現場作業の経験が少ないケースが増えてきました。しかし、スマートグラスで映像を共有してアドバイスすることで高い品質の保守をお客さまへ提供できます」と語る。

 現在、約1600台のスマートグラスが導入され、全国のCE全員に行き渡っているが、現場ではお客さまに許可をいただいた上でスマートグラスを活用している。

「高い品質の保守作業を確実に行うためのものですから、ぜひお客さまにご理解いただきたい。試しに体験していただくのも大歓迎です」と野々原主任。将来はAIも合わせて活用し、さらなるレベルアップを図り、お客さまに継続してご満足いただける高品質のサービス提供を図っていくという。

お客さまとの絆をつなぎ、コミュニケーションを強化する顧客コミュニティサイト

 保守作業の報告書が電子化されたのは2018年のことだが、翌年の5月に報告書の閲覧と活用を促すために開設したのが「顧客コミュニティサイト」である。

顧客コミュニティサイト

 ユーザーごとに専用ページが用意され、報告書の閲覧に加えて、問い合わせや修理の依頼にも利用できる。顧客コミュニティサイトを担当する保守サービス事業部事業戦略部の菊地祐二エキスパートは「お客さまがいつでも一覧から作業履歴を確認できるので、報告書をファイリングする必要もなく、引き継ぎも容易です。もちろん紛失する心配もありません」と利便性を強調する。

 問い合わせや修理の依頼については、その都度会社名や氏名を入力する手間が省けるので好評だ。メリットはそれだけではない。メールが担当者、上司、管理センターに同時に送信されるので、社内関係者に対し、迅速な情報共有が可能となる。

 サイトの開発にあたって菊地エキスパートが最も気を使ったのがセキュリティである。「お客さまとのやりとりという重要な情報を保管するので、セキュリティの確保を最優先しました」。お客さまが安心して利用できる便利な仕組みだけに、ぜひ活用して効果を実感していただきたい。

IT仕事人 菊地エキスパート

AI問診/AIアサインで保守業務の迅速化に貢献

 NECフィールディングでは保守業務の迅速化と品質の向上のために、積極的にAIを活用している。その一つがAI問診である。これまでコンタクトセンターで故障情報を受け付けたオペレーターは、ルールに沿って交換部品の候補を探していた。

IT仕事人 中野エキスパート

「ただ、ルールベースの問診システムでは、使う側のスキルによって結果が左右されてしまうという面が残っていました。そこでAIを活用して、よりスキルに依存しない問診を目指したのがAI問診です」と、カスタマサポート事業部コンタクトセンター統括部の中野豊エキスパートは話す。現在、月に2万件から3万件にも上る問い合わせデータをAIに学習させているところで、〝人間と同等、もしくはそれ以上の精度〟を導入基準に、機種ごとの段階的な導入が進められている。

 このAI問診の結果を含む情報を基に、どのCEを現場に向かわせるのが最も適しているかを判断するのが「AIアサイン」である。現在は全国に点在するベテランのディスパッチャーが、保有スキルや位置情報を基に担当CEを決めて指示しているが、このプロセスをAIに置き換えようという試みだ。

「現在はディスパッチャーとAIを併用して精度を確認していますが、将来的にはAIに任せていくことで、故障診断チャットボットで入ってきた問い合わせに、AI問診で交換部品候補を選び、AIアサインでCEに指示を出すところまでを無人化し、迅速に一定の品質を提供できるようにしていきたいと考えています」と中野エキスパートは目指す姿を語る。

お客さまの手間を軽減する故障診断チャットボット

 お客さまからの問い合わせの中には、CEが現場に駆けつけなくても、設定の変更などお客さま自身が操作することで解決できるトラブルもある。従来はオペレーターが対応していたこうした診断を24時間いつでも利用できるのがシナリオ型の故障診断チャットボットである。

故障診断チャットボット

 お客さまが機種を指定して症状を「Yes/No」で選択していくと、故障診断チャットボットが状況を確認し、作業手順を映像などで解説してくれる。映像は動画にテロップを付けたもので、わかりやすく作業手順が提示される。現在、映像はモノクロプリンタ、カラープリンタそれぞれ20本以上も用意されている。映像制作にあたった中野エキスパートは「撮影や編集は大変でしたが、お客さまからはとても好評です」と語る。お客さま側で問題が解決しなかった場合にはウェブによる修理依頼に切り替わるが、診断結果は自動でテキストとして登録されているので、お客さまは入力の手間を省くことができる。

 修理依頼を基にAI問診がされて部品候補を特定し、AIアサインによってCEが現場に向かうことになるが、その間のつなぎはRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)によって自動化していくことになる。NECフィールディングのDXは、お客さまへの迅速な対応と保守品質の向上に繋がるものだけに、今後の展開にも期待していただきたい。

IT仕事人ファイル

野々原 伸吾

サービス技術本部
テクニカルサポート部
主任

2007年入社。サービス技術本部でサーバの保守開発を担当した後、2018年4月からスマートグラスを利用するカスタマエンジニアの後方支援を担当するサポートセンターの一員に。スマートグラスによるサポート体制を立ち上げから担当し、以来スマートグラス一筋。

菊地 祐二

保守サービス事業部
事業戦略部
エキスパート

入社25年のベテラン。カスタマエンジニアとして経験を積んだ後、コールセンター向けのサポート業務、ディスパッチャーなどを歴任し、現在は顧客コミュニティサイトを担当するオールラウンダーエンジニア。

中野 豊

カスタマサポート事業部
コンタクトセンター統括部
エキスパート

2001年入社。リモート監視システムの開発、コンタクトセンターの立ち上げなどソフトウェア畑を歩んだ後、NECに出向し、クラウドサービス、AI、チャットボット分野を担当。2019年4月にNECフィールディングに戻り、NECでの経験を生かして故障診断チャットボット等を開発。

  • ※この記事は、当社発行の広報誌ふぃーるでぃんぐ145号に掲載したものです。
    ※記載されている役職等の情報につきましては、2020年4月1日時点のものです。
    ※記載されている製品名は各社の商標または登録商標です。

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