2020年3月6日防災関連製品
ソーラーLED照明灯を提供
企業や自治体にとって、BCP(事業継続計画)や避難者支援など、自然災害に対する万全な備えを講じておくことが必要だ。
NECフィールディングでは、リチウムイオン電池を搭載したポータブル蓄電システムやソーラーLED照明灯など、防災用品の拡充を図っている。
自然災害に対するBCP商材のニーズ高まる
近年、地震や台風、豪雨などの自然災害の影響が深刻になっている。そうした自然災害では、その後の避難生活やBCPへの対策が重要になる。特に停電が発生し、それが長期化する場合、電源の確保が大きなテーマになる。 NECフィールディング・ソリューション事業部で電源系商材を扱う商品開発部の阿部裕哉マネージャーは、「東日本大震災以降、企業のBCPに対する関心が高まりました。UPSや蓄電池などの電源製品だけではなく、身の安全を守るためのヘルメットや避難生活で必要不可欠な飲料水・非常食などのニーズも高いですね」と話す。そうした商材拡充の一環として、リチウムイオン電池をキャリーケース型のパッケージに収納した「EMERGY3000」の提供を開始した。 |
|
キャスター付きで持ち運びが可能に
|
「EMERGY3000」は、2600ワットアワーの大容量リチウムイオン電池を搭載。フルに充電されていれば接続機器の容量が1200ワットならば1.5時間、600ワットで2.9時間、120ワットならば12時間の電力供給能力を持つ。スマホやタブレットなどは約10ワットとされているので、複数のスマホを同時に充電することができる。 「大容量の電力が必要な場合はUPSや自家発電設備を用意しなければなりませんが、中小企業や支店などの事業所ではそうもいきません。パソコンやスマホなどの情報機器が使えればよい、というニーズに対応しました」と阿部マネージャーは商品化の理由を語る。しかも「旅行などで使うキャリーケースと同等の大きさなので、どこにでも持っていくことができます」という。オフィスに置いておき、停電が発生したら必要な場所に持っていき、すぐに使える。自治体などでは避難所に持っていくなどの使い方もできる。 |
全国約170拠点に導入しBCPやデモ用に活用
「EMERGY3000」は、リチウムイオン電池を搭載しているので約30キロの重さがあるが「キャスター付きなので、誰でも持ち運びが可能です」という点をアピールする。ファンレス構造なので、小型エンジンを搭載した携帯型自家発電機のような騒音もない。
また、オプションでソーラーパネルも用意。停電が長引いた際は昼間に「EMERGY3000」に充電し、夜は照明用電源として使うといった活用方法も考えられる。
NECフィールディングでは、2020年1月から全国約170カ所のサービス拠点に「EMERGY3000」を配備する。「自社のBCP対策だけでなく、キャリーケース型という特徴を生かして、お客さま先でのデモ用としても使う予定です。お客さまの目の前でデモンストレーションができるので、訴求力は高いと思います」と阿部マネージャーは期待している。
ポータブル蓄電池オプションのソーラーパネル
防災に加え防犯や省エネに貢献するソーラーLED照明灯
災害時に停電が発生した時、エネルギー自給型の独立電源を備えた照明灯があれば、公園や街路などに明かりがともり、夜でも安心感を与えることができる。 NECフィールディングが取り扱う「ソーラーLED照明灯構築サービス」は、停電時でも通常通り点灯することで安全・安心を提供するだけでなく、省エネでも効果の高い照明灯である。 このLED照明灯は、昼間に太陽光で発電し内蔵の電池に蓄電、暗くなると自動的に点灯する。公園や街路、駐車場など専用の電源を確保するのが難しい場所でも、設置するだけで夜間の照明を確保できる。しかも独立電源なので電気代はかからない。 |
|
「実際に設置した事例では、ある企業の駐車場に複数台を設置しました。また、従業員が増えて新たに駐車スペースを増やす場合でも、LED照明灯を増設すれば済みます」と阿部マネージャーは利便性を強調する。オプションで監視カメラを搭載することも可能で、電源の引き込みが困難な河川沿いや森林などの監視用途にも使える。さらにサービスコンセントを設置すれば、LED照明灯から電力を供給したり、USBポートの設置でスマホなど情報端末を充電したりという用途にも使える。
公園などで複数の照明灯を設置する場合、電灯線を引いてこなければならないが、ソーラーLED照明灯ならどこでも設置することが可能になり、後からの増設も自由自在。「マンション敷地内にある共用部分の庭に設置した事例もあります」と、後から配線工事をするのが難しい場所にも最短で1日の工事で容易に設置できるという。
ネットワーク機能を搭載し防犯性能向上も視野に
ソーラーLED照明灯には人感センサーが搭載されている。通常点灯時は明るさを抑えて消費電力を抑制、人が近づいた時に明るく点灯する。こうした仕組みを備えることで、無日照でもフル充電で最大7日間の連続点灯が可能だ。
NECフィールディングでは、ソーラーLED照明灯の提供について、「省エネや防災など、お客さまのこんなものがあれば、というニーズに応えるためです」と阿部マネージャーは話す。さらに、国内約400カ所のサービス拠点を活用して、どこにでもサービスを提供できるという強みを生かしていくという。
ソーラーLED照明灯は、ソーラーパネルの発電能力が76ワットで充放電に強い鉛蓄電池を1個搭載し960ルーメンのLED照明を搭載するタイプと、105ワットのソーラーパネルを搭載し鉛蓄電池を2個、1960ルーメンのLED照明を備えたタイプの2機種。また監視カメラやサービスコンセントなどのオプション、海沿いでの設置で耐塩性を高めたタイプなどをラインアップしている。監視カメラの画像は、SDカードに記録する方式だが、将来は「LTEなど無線でデータを送信する仕組みを取り入れたい。それを利用して無線で照明灯の状態監視を行う監視サービスも追加していく予定です」と阿部マネージャーは、利便性をさらに高めるサービスも追加していくとしている。
ソーラーLED照明灯使用シーン
阿部 裕哉(あべ ゆうや) 氏
ソリューション事業部
商品開発部
マネージャー
2004年に入社し、最初に取り組んだのがUPSの商品企画・開発。それ以来、自家発電機や太陽光システムなど電源系システムの企画・開発と営業一筋。NECフィールディングの中で“電源のスペシャリスト”。長く電源系ビジネスに関わってきたことで、「お客さまとの関係はもちろん、パートナーやメーカーとの信頼関係も深まった。それを新たな商品開発にも生かせる」と語る。常に複数の商品開発案件を抱え、お客さまのニーズ発掘に奔走している。
-
※この記事は、当社発行の広報誌ふぃーるでぃんぐ144号に掲載したものです。
※記載されている役職等の情報につきましては、2020年3月6日時点のものです。
※記載されている製品名は各社の商標または登録商標です。詳しくはこちらのサイトをご覧ください。