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2019年12月8日第11回 RE100トータルサポート

太陽光発電の実績を生かし
企業の地球温暖化対策を後押し

2015年12月、COP21で採択された「パリ協定」。
これを受けて世界の大企業が〝脱炭素化〟〝脱化石燃料〟にかじを切り始めた。
事業活動のすべてを再生可能エネルギー利用に切り替えることを狙ったものが「RE100」。
世界では180社以上、日本でも20社近くの大企業が「RE100」を宣言している。
NECフィールディングでは、「RE100トータルサポート」の名称で、再生可能エネルギーを積極利用しようとする企業を支援している。

サプライチェーンに連なる企業も「RE100」対応が必要

 「RE100」は、リニューアブルエナジー100、つまり事業活動を100%再生可能エネルギーで賄うことをコミットメントする国際イニシアチブ。国際環境NGOのTCGが提唱し、2014年に始まった。100%再生可能エネルギーを使用して事業活動を行うために、①工場やオフィスなど自社施設内および他の施設の利用などで再生可能エネルギーによる発電を行う、②市場で再生可能エネルギーによる電力を発電事業者もしくは仲介事業者などから購入する、という選択肢がある。②の場合、再生可能エネルギーによる発電所との電力購入契約(PPA)だけでなく、Jークレジットやグリーン電力証書といった再生可能エネルギー証書の購入でも対応できる。

 この「RE100」は、世界経済に影響力のあるグローバルカンパニーがコミットしている。世界ではゼネラル・モーターズやBMWなどの巨大メーカーのほか、レゴ、ジョンソン&ジョンソン、P&G、ナイキ、ウォルマート、イケア、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーなど日用品、流通、金融の巨大企業も名を連ねている。IT企業でもアップルやマイクロソフト、グーグル、HP、フェイスブック、SAPなども「RE100」を宣言した企業に名を連ねる。

 日本では、リコーやソニーなどのグローバル企業だけでなく、コープさっぽろや城南信用金庫といった地域企業の中にもコミットメントを行う企業が拡大している。現在、世界規模では180社以上が「RE100」にコミットメントしており、日本でも20社近くが参加している。

 これらの「RE100」にコミットメントした企業は、2050年までに事業活動のすべてを再生可能エネルギー利用で賄うことを〝宣言〟したことになり、段階的に再生可能エネルギー利用にシフトしていかなければならない。ここまでの話を聞けば、「グローバルな大企業だけの話」と思いがちだが、ことはそう簡単ではない。「RE100」企業は、その宣言を確実に達成するため、サプライチェーンでつながる企業にも「RE100」を求めていくようになること。つまり、再生可能エネルギーで事業運営していない企業とは取引できないということだ。

ノウハウを生かし自家消費型を積極提案

「RE100は大企業だけのものではありません。宣言するかしないかは企業独自の判断ですが、取引関係を考えれば、中堅・中小企業もRE100に対応しなければならなくなります」と、NECフィールディング・ファシリティ事業部環境エネルギーサービス部マネージャーの渡辺真佐雄は話す。

 また、例えば金融機関はESG投資に注目しており、E(エンバイロメント=環境)・S(ソーシャル=社会)・G(ガバナンス=企業統治)に配慮していない企業には融資を行わないということが世界的な潮流になっている。

 さらに、地球温暖化対策のキーワードとして「RE100」「ESG投資」以外にも、エネルギー効率を2倍に高める「EP100」、2030年までに事業用車両を100%電気自動車(EV)化する「EV100」などがあり、さらに科学的根拠に基づいたCO2排出削減のイニシアチブであるSBT(サイエンス・ベースト・ターゲッツ)もある。

IT仕事人 渡辺

 渡辺マネージャーは、「RE100は環境対策の一つですが、企業が取り組むにはハードルが高く、また日本企業にはまだ浸透していません」とし、サポートプログラムとして「RE100トータルサポート」の提供を事業化したと語る。そのベースとなるのは、NECフィールディングがこれまで取り組んできた、太陽光発電の企画から施工、運用、保守といった環境ビジネスだ。

「RE100」に向けた取り組みとしてまず着手しやすいのは自家消費用の太陽光発電設備だろう。「工場や倉庫の屋根など、太陽光パネルを設置できるスペースは少なくありません」(渡辺マネージャー)。海外への生産移転で工場敷地内にできた余剰スペース、国内生産を集約した後の工場跡地、ネット通販の台頭で高速道路沿線などに相次いで建設された倉庫の屋根など、太陽光発電の候補地は少なくない。

エネルギー診断から運用・保守までサポート

「しかし、企業にとっては、ある程度の投資が必要なので、積極的になれないケースも多いようです」(渡辺マネージャー)。「RE100」に取り組むグローバル企業でも目標達成は2050年としているため、取引のある企業も「あと30年は時間的な猶予がある」と思いがちだ。

 そこで、「RE100を実現するために、その企業に対してどのような方法があるかや、どんな技術を選択すべきなのかといったことをご提案します」と渡辺マネージャーは話す。

 30年という時間を使うには、長期的な計画の策定と対策の実行が不可欠。そこでまず着手することが、「エネルギー使用量の現状調査と省エネ診断」であり、さらに再生可能エネルギーを積極的に導入するための「計画立案、設計・施工、構築。そして導入後の運用・保守。「この一連の工程をトータルでサポートするのが、『RE100トータルサポート』なのです」(渡辺マネージャー)

「RE100トータルサポート」の内容

 NECフィールディングには、太陽光発電の企画・設計から構築、運用・保守まで手掛けてきたノウハウがある。売電目的の太陽光発電所設置は減少傾向にあるが、今後は自家消費を中心に、将来の「RE100」を目指した太陽光発電の市場が拡大すると予想する。

「RE100」を実現するには、太陽光発電の他にもさまざまな方法がある。例えば、オフィスや工場、倉庫などでのLED照明の設置、太陽光で発電したエネルギーをためておく蓄電池の設置、効率的な空調システムの導入、消費電力を最適化するためのEMS(エネルギー管理システム)の活用等々。このように、「RE100トータルサポート」で取り組むメニューは多い。

 なお、再生可能エネルギーでは風力発電や小水力発電などの利用も考えられる。さらに熱を利用する施設ならば化石燃料を使用しない熱供給システムなど、あらゆる活用シーンが検討されるだろう。

「NECフィールディングには全国約400カ所のサービス拠点があり、運用・保守体制は完備しています。また、専門知識を持ったパートナーを活用してさまざまな機器の調達や設備・施設の施工に対応することができます」(渡辺マネージャー)と胸を張る。しかも太陽光発電など〝創エネ〟だけでなく、グリーン電力の調達でも「最適な電力供給先の選定や調達についても支援していきます」としている。

「RE100」の実現は企業価値向上に直結

「RE100トータルサポート」については、すでに顧客との導入検討が始まっている。「展示会などでも引き合いが増えています。大企業から中堅・中小企業までさまざまな企業が再エネ転換について真剣に検討しています。私たちとしても積極的に提案活動をしていきます」と渡辺マネージャーは話す。

 グローバルな巨大企業の「RE100」の達成は2050年だが、エネルギー需要の小さい中堅・中小企業は、現状の最新技術を活用して早期に「RE100」を達成できる可能性もある。しかし省エネ・創エネをトータルで実施し、事業すべてを再生可能エネルギーで賄うのは設備投資も小さくない。渡辺マネージャーは、「より低コストで導入できるシステムなど、今後の技術開発で期待できる分野は多い。投資対効果が高い設備を計画的に導入するなど、効率的な設備投資の提案もできるでしょう」と話す。

 一般的な「RE100」への取り組みとしては、まずは電力消費量や日別・時間別の消費パターンの把握や消費エネルギーを把握するための診断を行い、「RE100」実行計画の策定、可能な部分からの再エネ・省エネ設備の導入・更新、運用結果の把握を行い、そのうえで自家消費太陽光発電などの導入や、省エネ効果の高い設備へ更新などを行うことが一般的な進め方である。これらの対策によってどのくらい購入電気量が減り、どのくらいエネルギーコストを下げられるのかが分かれば、「RE100」実現へのモチベーションも高まる。

生産工場での活用イメージ

 地球温暖化防止のためのCO2削減に向けて、〝脱化石燃料〟は避けることはできない。使用するエネルギーの100%を再生可能エネルギーで賄うことは、直接的には地球温暖化防止に貢献するというCSRの効果と、省エネ・創エネでエネルギーコストの削減という財務上のメリットが期待できる。さらにESG経営を重視する金融機関から見ると、融資先として適格か不適格か、あるいは投資対象となり得るかどうかという評価にも直結する。「RE100」を実現する企業になれば社会的な評価は高まり、企業価値も向上することは確実だ。

IT仕事人ファイル

渡辺 真佐雄(わたなべ まさお)氏

ファシリティ事業部
環境エネルギーサービス部
マネージャー

四国でのカスタマエンジニア生活を経て3年前に環境エネルギーサービス部に異動。多くの太陽光発電設備に関わってきた。「これからの主力はRE100に向けた自家消費型」と意気込む。1年前には自宅にソーラーパネルを設置。「夏場はほとんど電気を買わずに済んだ」と、太陽光発電の効果を身をもって感じている。

渡辺 真佐雄
  • ※この記事は、当社発行の広報誌ふぃーるでぃんぐ143号に掲載したものです。
    ※記載されている役職等の情報につきましては、2019年8月7日時点のものです。
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