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2019年05月27日第10回 遠隔支援ソリューション

スマートグラスを保守作業に活用
そのノウハウを結集し新サービスを創出

NECフィールディングでは、2018年2月から保守作業にスマートグラスを導入。
離れた場所からのリアルタイムな作業の指示や品質チェックが可能になり、保守作業品質の向上や生産性向上を実現した。そのノウハウを生かし、現場作業の生産性向上でお客さまに貢献するソリューションとしてスマートグラスを使った「遠隔支援ソリューション」の提供を開始した。

カスタマエンジニアにスマートグラスを配布

 サーバやネットワーク機器などのIT機器はもとより、様々な非IT機器の保守メンテナンスも手掛けるNECフィールディングでは、高品質な保守を効率的に行うために、スマートグラスを導入した。

IT仕事人 野々原

「現場のカスタマエンジニア(CE)は様々な機器の保守メンテナンス研修を受けています。しかし、多品種の機器を対象としている中では、なかなか触れる機会が少ない場合もあります。そこで、その作業をサポートするために、スマートグラスを導入しました」と、サービス技術本部テクニカルサポート部の野々原伸吾主任は話す。

 スマートグラスの導入を開始したのは2018年2月。当初は純水製造装置と小型乾燥機の保守を対象にした。

「保守を担当する全国102人のCEにスマートグラスを配り、作業の際にはそれをかけてもらうようにしました」という。故障対応時にテクニカルサポート部の後方支援要員がサポートしてくれるという安心感があることで浸透したという。

 CEを5年間務めた経験のあるソリューション事業部マーケティング戦略部の玉那覇圭介主任は、「現場のCEは自分で判断することが多く、それが正しいか不安になるときもあります。しかし、サポートするスタッフがいると、『独りじゃない』と心強く感じると思います」という。

全国で1300台を導入 保守作業の把握が容易に

 スマートグラスを装着していれば、どんな作業をやっていて、どこで手が止まっているか、またどのケースで判断に迷っているかが分かる。また、現場のCEから問い合わせがあればすぐに対応できる。後方支援要員がマニュアルの見るべきところを示したり、一緒になって作業手順を検討したりということが迅速に行える。

スマートグラスを使った遠隔サポート

「純水製造装置は細かい配管が多いので、どこを点検するか、どこに触れてはいけないかということを、一つひとつの配管を見ながら確認しなければなりません。これまでは携帯電話を使ってサポートしていましたが、現場からの説明も後方支援者からの指示も大変でした」(野々原主任)と振り返る。

 初期導入が順調に進み効果も確認できたことで、1年もたたずに常駐以外のほぼすべてのCEに配備を終えた。

「2月以降は毎月100台のペースでスマートグラスを全国で導入していきました。現在はサーバなどIT機器の保守作業でも使用しており、約1300台を活用しています」(野々原主任)

 なお、スマートグラスを使うにあたっては、保守作業を行う装置や周辺の様子が映ってしまうので、必ずお客さまからの使用の許可を得たうえで活用している。

お客さまの関心の高さを受けソリューションとして提供へ

 CEがスマートグラスをかけて作業をしていると、お客さまが興味を持って声をかけてくることが多いという。

「『ちょっとかけさせて』とお客さまがスマートグラスを装着して、サポートしている私たちと話すこともありました」と野々原主任は話す。

 お客さまが実際にスマートグラスを体験することで、どのようなメリットがあるのかを理解してもらえる。「そこにニーズがある、と判断するのに時間はかかりませんでした」と玉那覇主任。

 そこで、NECフィールディングではビジネスになると判断してソリューション化を実施。2018年11月にスマートグラスを使った「遠隔支援ソリューション」の提供を開始した。

IT仕事人 玉那覇

CEの労働環境改善で"働き方改革"の一助に

 "働き方改革"が叫ばれる中、保守メンテナンスの生産性向上は、サービス品質の向上に直結するだけでなく、保守に携わるCEの労働環境改善にもつながる。

 開発したばかりの新製品であれば、現場のCEに開発者のアドバイスが必要な場合もある。スマートグラスを使えば、必要に応じて開発者からの助言を容易に得ることができる。

 NECフィールディングでは、後方支援要員として、テクニカルサポート部のメンバーがサポートする体制を構築している。より複雑かつ難しいケースでは、さらに高い技術スキルを備えた後方支援要員を投入し、現場のCEとテクニカルサポート部の後方支援要員の3人がネットワーク接続し、スマートグラスの画像や音声を通じて問題を共有し、対応策を講じることができる。

「約1300台のスマートグラスを使っているのは国内でも最大規模なので、お客さまへのアピール力も強いと思います」(玉那覇主任)

1か月利用で25万円のトライアルサービスを提供

 NECフィールディングでは、お客さまの関心の高さを受けて、自社の保守作業で培ったノウハウを盛り込んだソリューションを提供している。本番導入前に導入効果や操作感の確認が可能なトライアルサービスの内容は、スマートグラス2台、タブレット端末1台、モバイルルータ4台、50ギガバイトのLTE回線、支援用PC1台、遠隔支援ソフトウェアをセットで1カ月貸し出しするもの。基本料金は25万円(税別)で、設定済みの状態で機材をお届けするためすぐに確認ができる。本番導入の際は、ネットワーク設計やセキュリティ確保、スマートグラスへのソフトウェアインストールなど、お客さま環境に対応した設計・構築サービスを提供している。

「2018年11月にソリューションを発表し、問い合わせも増えています。トライアルサービスの活用を決めた製造業のお客さまもいらっしゃいます。さらにメンテナンス業などもお客さまとして想定しています。また、パソコンやタブレットなしでリアルタイムの映像と音声、データを送受信し作業できるので、災害時に現地の確認に活用できないかという自治体からの問い合わせもあります」(玉那覇主任)

導入メリットとトライアルサービスの概要

 なお、スマートグラスでは、眼鏡部分とは別のコントローラー部とモバイルルータが必要になる。玉那覇主任は、「コントローラーとスマートグラスをつなぐケーブルが作業のさまたげになるとCEからの声があります。こういう声を取り入れ、作業のしやすさを考慮した新たなオプションも検討しています」と話す。

「当社で活用している遠隔支援システムは日々改良されているので、その改良と当社で蓄積した運用ノウハウをお客さまに提供できるようにしたいと考えています。今後もお客さまの業務改善のお手伝いができればと思います」(玉那覇主任)としている。

IT仕事人ファイル

野々原 伸吾(ののはら しんご)氏

サービス技術本部
テクニカルサポート部
主任

入社は2007年。テクニカルサポート部で後方支援要員として現場のCEと連携している。「携帯電話やスマートフォンよりもスマートグラスの方がはるかに効率的」とその効用を感じている一人。自身の経験から、スマートグラスを使った「遠隔支援ソリューション」に太鼓判を押す。

野々原 伸吾
IT仕事人ファイル

玉那覇 圭介(たまなは けいすけ)氏

ソリューション事業部
マーケティング戦略部
主任

2006年入社。「遠隔支援ソリューション」の企画を手掛ける。CEとして現場での保守を5年経験し、CEの楽しさも苦労も知っている一人。保守を担当するスタッフにとって、「誰かとつながっている、誰かが見てくれているというのは心強い」という。スマートグラスを使った「遠隔支援ソリューション」を強力にアピールしている。

玉那覇 圭介
  • ※この記事は、当社発行の広報誌ふぃーるでぃんぐ142号に掲載したものです。
    ※記載されている役職等の情報につきましては、2019年3月6日時点のものです。
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