2019年4月25日
第2回 ネットワークの仕組み<後編>機器から機器へ、情報はどのようにして届くのか
ネットワークの仕組みについて解説している本連載。
前編では、ネットワークとはそもそも何か、というところから、ネットワークの種類ごとの特徴や仕組みまでをご紹介しました。
後編となる今回は、いよいよ本題である「機器から機器へ、情報がどのように送られていくのか」を解説していきたいと思います。
この部分を理解することで、「設置場所や距離は問題ないのに、何故無線LANが繋がらないケースがあるのか」が分かってくると思います。
今回も多くの用語が登場しますが、可能な限り複雑・難解にならないように解説していきますので、ぜひ最後までお付き合い下さい。
機器から機器へ情報が送られる仕組み
有線接続の場合
有線接続では、ケーブルを使って機器から機器へ情報を送信します。
使用するケーブルが電気ケーブルの場合は電気信号、光ケーブルの場合は光信号で情報を送信します。その信号が機器からケーブルを通り送信先まで進むことで、情報が送られていきます。
しかし、実はこの信号は、ずっと一定のエネルギーを保ったまま進むことができません。
距離が長くなればなるほど信号は徐々に弱まっていき、何もしなければやがて途絶えてしまいます。これでは離れた場所との通信に困りますよね。
その問題を解決するために用意されているのが中継器です。
中継器はケーブルとケーブルの間に設けられており、信号の増幅とノイズの除去という2つの役割をこなします。
中継器で通信中に減ってしまった信号を元の大きさまで増幅させ、通信中に混入してしまったノイズを除去することで、信号は途絶えることなく、乱れることなく進んでいくのです。
信号は機器からケーブルを通り、更に複数の中継器を通って増幅を繰り返した後に、送り先の機器に届きます。
中継器のおかげで、電気信号や光信号は、長距離でもエネルギーを維持したまま機器から機器へ情報を送り届けることができるのです。
無線接続の場合
では、無線接続の場合はどのようにして機器から機器へ情報が送られていくのでしょうか。
実は、無線接続の場合も、最寄りの中継器(ルーター)から届け先のルーターまでは、ケーブルを使って情報を届けます。
そこからルーターで信号を無線用の電波に変換し、電波で周辺の機器に情報を届けているのです。
通信障害―「ノイズ」について
前段落で中継器の役割の一つが「ノイズの除去」であることに触れましたが、通信にはノイズが発生することがあります。
ノイズが発生すると正常に通信できなくなったり、情報に乱れが生じたりします。
テレビを見ていると、たまにチャンネルの写りが悪くなり、画面が乱れることはないでしょうか。
まさにそれが「ノイズによる情報の乱れ」です。
「人工ノイズ」と「自然ノイズ」
ノイズは人工の物が原因で発生するノイズと自然現象が原因で発生するノイズの2種類に分類されており、それぞれ「人工ノイズ」「自然ノイズ」と呼ばれています。
たとえば、電子機器から発生するノイズや、電源から発生するノイズは人工ノイズ。
逆に、静電気や落雷など、自然現象に由来するノイズが自然ノイズです。
ノイズへの対策
ノイズは上記のように様々な原因で発生します。
そのため、一口にノイズのせいで通信ができないといっても、どこから出ているどのノイズが原因で通信できないのか、特定することは容易ではありません。
EMIフィルタ、電磁波シールドといったノイズ対策部品もありますが、どう利用すれば良いのかは何が原因なのかによって変わるため、原因を特定した上で対策する必要があります。
まとめ
ネットワークの仕組みを知り、ノイズへの適切な対策を施すことで、初めて安定したネットワークを確保することができます。
原因の特定や対策は不可能ではありませんが、ネットワークに詳しくない人間が行うには難しいため、「何度やっても会社で無線LANが繋がらない・繋がりにくい」という場合は、専門の業者の力を借りるのがおすすめです。
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