2018年10月16日第2回 クラウドのビジネス活用性と、内在するリスクについて

知っているようで詳しくは知らない「クラウド」について解説する本シリーズ。
前回は、クラウドとは何か、という点について、Googleドキュメントやスプレッドシートといったおなじみのクラウドサービスを例に解説を行いました。

今回は、クラウドサービスをどのようにビジネスに活用できるか、という点について解説を行います。

クラウドのビジネス活用イメージ

インターネットを使える環境があれば、さまざまなサービスを利用できるクラウドサービス。ビジネス活用事例は多岐に渡ります。今回はクラウドサービスの分類で代表的な「SaaS」と「IaaS」という用語の解説とともに、クラウドのビジネス活用イメージについて紹介したいと思います。

SaaS(Software as a Service)を活用して業務効率改善

まずはごくシンプルな活用法として、これまでインストールして利用していた種々のアプリケーションについて、代替のクラウドサービスを利用するという活用法が挙げられます。ソフトウェアとして機能するクラウドサービスのことをSaaS(Software as a Service)と呼びますが、一例として、SaaSを利用することは下記のようなメリットをもたらします。

  • ● サーバにファイルをアップロードするので、ファイルをメールでやり取りするコストが省ける
  • ● PCで編集していたファイルに、スマホからアクセスすることができるなど、デバイスを横断した業務が可能となる

ただし、これらの利点についてはデメリットも内包しています。複数人でファイルを共有したり、複数のデバイスからデータにアクセスできることから、セキュリティ面のリスクが生じます。クラウドサービスの導入時には、社内のセキュリティガイドラインを更新するなどの対応も必要となります。

IaaS(Infrastructure as a Service)導入で社内のサーバ管理負担を軽減

社内ネットワーク内PCの監視やセキュリティソフトの実行など、社内サーバの役割は多岐に渡ります。
一方で、サーバルームを保有している企業の場合、サーバ管理は少なからず負荷のかかる業務となります。インフラ担当者の業務負担が高いことや、光熱費負担が気になるといったことにお悩みをお持ちの企業様は少なくありません。
IaaS(Infrastructure as a Service)と呼ばれるクラウドサービスではこれを遠方のサーバが代替し、「サーバ」のシリーズでも紹介したような仮想化技術を活用して、さまざまなサービスを提供します。

クラウドサービスのセキュリティリスク

これまでの業務形態からクラウドサービスへの活用へと舵を切ろうと考えたとき、「セキュリティリスク」については大きな関心事となるでしょう。この点について簡単に触れてみたいと思います。
前回述べたように、クラウドサービスを利用する際は、サービス保有元が持つサーバにインターネット経由でアクセスし、そのデータベースにさまざまな情報を格納しておくことになります。そのため、クラウドサービスのセキュリティリスクについては、大きく2つのリスクが考えられます。

  • 1.クラウドサービスを提供するサーバへの、サイバー攻撃等による情報漏洩リスク
  • 2.アカウント管理等、情報管理のミスによる情報漏洩リスク

1.についてはクラウドサービスを提供するサーバそのものが攻撃されてしまうリスクを指します。クラウドサービスでは、一点集中的に情報漏洩対策を行なっている巨大サーバの一部をサービス提供に用いることが主流なので、攻撃に対しては堅牢なサービスが多いと言ってよいでしょう。

一方で、2.については注意が必要です。クラウドサービス内の情報は、大規模サーバのセキュリティによって堅牢に保管されているため、ユーザーIDやパスワードといった「鍵」がなければ漏洩リスクは著しく低いと言えます。一方、肝心のユーザーID・パスワードが入手されてしまえば、攻撃者は容易に情報を入手することが出来てしまいます。
そのため、クラウドサービス導入時には、社内のガイドライン策定や社員教育といった取り組みの重要性が一層増すケースも存在します。外部サーバに情報を格納するということのリスクを十分理解した上で、導入を決定する必要があると言えるでしょう。

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全2回に渡って「クラウドサービスの定義とその利点」について紹介してきた本連載、いかがだったでしょうか。クラウドサービスの仕組みと利便性、内在するリスクについて理解した上で活用することの重要性についてご理解頂けたならば幸いです。

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