2018年7月10日第1回「サーバとは何か?」

そのIT用語「知ってるつもり」で済ませていませんか?

普段はユーザとしてITに触れている皆さまも、突然のトラブルで自らのIT知識が問われることがあるかもしれません。

「社内サーバが落ちた」「Wi-Fiに接続出来なくなった」…
もちろん、そんな時は「我々プロの出番」ということになるのですが、ユーザの皆さまがIT知識を持つことは、適切な初期対応を行い、私達ITサポート会社とのコミュニケーションを円滑化し、社内の不安を和らげる効果があります。

NECフィールディングの「IT再入門」シリーズでは、あらゆる業種で今後ますます重要な領域となっていく「IT」について、わかりやすくご紹介していきます。
第1シリーズは、知っていそうで知らない「サーバ」について徹底解説。ご期待ください。

サーバとは何か?

私たちが日常の中でWebを通じたサービスを享受するとき、それらのサービスのほとんどに「サーバ」の存在があります。

メールサービスを使うときや、TwitterやFacebookといったSNSを使うとき、なんとなく「サーバ」という言葉を目にしたことがあるな…という実感値を誰もが持っていると思います。

普段は意識することが少ないですが、私たちがサービスを利用する時、インターネットの向こう側で、サービスを提供するためのコンピュータが活動しています。
このコンピュータのことを「サーバ」と呼びます。

ITに基づくあらゆるサービスが、サーバによって実現されていると言っても過言ではありません。

サーバの種類

「サーバ」が果たす役割の幅広さを知っていただくために、まずはサーバの種類の例を挙げ、区別することから始めてみましょう。

種類説明
・Web サーバ ・Web サイトを提供する
・メールサーバ ・メールサービスを提供する
・アプリケーションサーバ ・アプリケーションを提供する
・ファイルサーバ ・ファイル共有サービスを提供する
・プリントサーバ ・プリント機能を提供する

本連載ではいずれかのサーバに特化した解説をせず、サーバ全てに共通する「原理原則」の部分を解説します。
ただし、説明を明快にするため、必要に応じて特定のサービスを前提とした解説を行うことがあります。

サーバの共通機能とは?

繰り返しになりますが「サーバはコンピュータの一種」です。
そのため、サーバとPC(パーソナル・コンピュータ)とは非常に多くの共通点があります。
それぞれの機能を照らし合わせてみれば、サーバと我々が普段利用するPC、両者は非常に近いものだということがご理解いただけるはずです。

コラム:PC(パーソナル・コンピュータ)の語源

サーバは個人が占有するのではなく、大勢のユーザによってアクセスされ、共有されるコンピュータです。
我々が普段利用するPCは、「パーソナル・コンピュータ」の頭文字。
サーバのように「大勢の人からアクセスされ、処理を行なったり、データを送受信するコンピュータ」と区別するために、「パーソナル」(個人的な)という形容語が付いているのですね。

サーバの機能は大きく2つ

コンピュータの機能を分解することは、あまり簡単なことではありませんが、ここでは「データの記憶」「サービス提供に必要な処理」の二つに焦点を当て、解説を試みます。

1.データの記憶

皆さんが普段PCを利用する時は、ローカルディスクにさまざまなデータを保存しておくと思います。
例えば家族の写真(画像ファイル。jpgやpngといった形式)、社内の告示物(リッチテキスト。rtfやdocxといった形式)といったデータなどです。
言い換えると「日常生活や業務のために必要なデータ」が格納されて
いることでしょう。

サーバにも同様に、データが保存されています。 ただし、PCと異なり、サーバに保存されているのは「サービスの提供に必要なデータ」です。

保存されるデータの具体例

サーバの種類データの具体例
・Web サーバ ・Webサイトに用いられている、全てのテキストや画像
・メールサーバ ・ユーザによって配信された全てのメッセージ

この他、後述する「ソフトウェア」も広義のデータとして、サーバ内に格納されています。

2.サービス提供に必要な処理

ここでは例として、「家計簿アプリのアプリケーションサーバ」について考えてみることにしましょう。 このアプリにはさまざまな機能があるとします。

機能の一例

  • ・日々の支出を記録することができる
  • ・月次の支出額を閲覧できる
  • ・特定の支出カテゴリ、例えば「食費」の年間推移を、折れ線グラフで確認することができる

このような処理は「ソフトウェア」によって実現されます。サーバにはあらかじめ、サービス提供に必要なソフトウェアが搭載されています。

皆さんがPCにおいて日常で使うソフトウェアの例として、表計算ソフトのExcelが挙げられます。
ExcelをPCにインストールすると、「食料品」といった支出カテゴリごとの合算値を求めたり、月次の支出額を折れ線グラフで出力したりといった機能を実現できます。
サーバが必要機能を果たすためにもPCと同様に、必要機能を提供するためのソフトウェアをあらかじめ搭載しておく必要があります。

ITサービスの裏側では、常にサーバが働いている

今回はITサービスの黒子「サーバ」の概略についてご説明をしました。
普段便利に使っているサービスの裏側で稼働している「働き者」の存在について、ご理解を頂けたのではないでしょうか。

次回は「サーバ」第2回、皆さんのPCとサーバをつなぐために不可欠な「ネットワーク」についての解説と、「アップロード」「ダウンロード」といった用語について説明します。ご期待ください。

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