2020年8月26日Windows 10 でLinuxをデュアルブートすることはできる?

Windows 10 でLinuxをデュアルブートすることはできる?

Windows 10 搭載パソコンでLinuxとのデュアルブートは可能なのでしょうか?今回は、デュアルブートの活用方法、そしてWindows 10 で行うことのデメリットやリスクを整理したうえで代替手段である「仮想化」についても解説します。

デュアルブートとはそもそも何なのか?

デュアルブートとは、1台のパソコンを2種類のOSが共有した状態で、OSを切り替えて起動する環境を指します。OSごとにディスクを用意するか専用のパーティションを区切って、それぞれのディスク(パーティション)にOSを1つずつインストールします。

Windows 10 のパソコンでも、Windows以外のOSでデュアルブートでき、Linuxとのデュアルブートも可能です。

デュアルブートが活用される場面とは?

デュアルブートにすると、それぞれのOSの良さを生かした使い方ができます。具体例を交えながら、Windows 10とLinuxの使い分け方を整理してみましょう。

  • ・Microsoft Officeを使いたい場合は、Windows 10 を起動(LinuxとMicrosoft Officeは互換性がないため)
  • ・Windowsでしか作動しないWebサイトやアプリを使いたいときは、Windows 10 を起動(動作保証されているOSが限られるケースが多いため)
  • ・快適なWebブラウジングがしたい場合は、Linuxを起動(Linuxの特徴は高速かつ高セキュリティーである点)
  • ・プログラミングはLinuxを起動(Linuxは開発に向いているため)

Windows 10 とLinuxのデュアルブート方法

今回は1台のディスクドライブでパーティションを分ける方法ではなく、Windows 10 PCでLinuxと物理ドライブを分ける方法を紹介します。

※パーティションを切らずに各OS専用のディスクを用いる理由については、後ほど解説いたします。

内蔵ディスクを増設できるデスクトップPCでデュアルブート

デスクトップ型パソコンの内部には複数のディスクドライブを装着できるよう、空きのドライブベイがあることが多いです。デスクトップPCでディスクを増設できるタイプなら、この方法でデュアルブートを設定します。

用意するのは、何もインストールされていないまっさらなディスクです。Windows 10 がプリインストールされた内蔵ディスクを取り外して、まっさらなディスクを接続したらLinuxをインストールします。

次に一度取り外したWindows 10 のディスクをドライブベイに戻したら、BIOSかUEFIの設定画面から起動順序を決めます。

ノートPCやディスクを増設できないデスクトップPCでデュアルブート

ディスクが増設できなくても,外付けドライブがあれば内蔵ドライブ(Windows 10)と外付けドライブ(Linux)でデュアルブートできます。Linuxを外付けドライブにインストールしたら、BIOSかUEFIで起動順序を設定します。

単一ドライブでデュアルブートにするデメリットやリスク

物理ドライブが1台のノートパソコンや、増設できないデスクトップ型パソコンでも、それぞれのOS用にパーティションを切れば、デュアルブートさせること自体は可能です。かつてはそうやってWindowsとLinuxをデュアルブートするのが主流でした。

ところがWindows 10 からは、1台のドライブ上でパーティションを分けてデュアルブートにすると、以下の問題が発生することが分かりました。

  • ・ブルースクリーンが表示される。
  • ・パソコンが起動しなくなる。
  • ・パーティションが複雑になり、管理しにくくなる。
  • ・ドライブが破損した場合、どちらのOSも起動しなくなる。
  • ・Windowsのシングルブートに戻したい場合の手順が複雑。
  • ・Windows更新プログラムの大型アップデート後にLinuxのブートローダーが起動しなくなる。

Windows 10 以降ネックになったブートローダーのトラブルとは?

Windows 10 をインストールしたパソコンに後からLinuxをインストールすると、ブートローダーはLinux用のGRUBに置き換わります。ところが、Windows 10 は年に2回、大型アップデートがあります。その度にWindows用のブートローダー(Windows Boot Manager)が復元されてしまうという問題が判明しました。

Windows Update後にLinux用のパーティションにアクセスできなくなると、Linuxの起動が不可能に。こうしてWindows Boot Managerで上書きされてしまったブートローダーの修復は、プロでも難しいと言われています。

Windows 10 でLinuxを起動するその他の方法

デュアルブートだけがWindows 10 でLinuxを動かす手段ではありません。仮想化ソフトを使えば、デュアルブートせずにLinuxを起動できます。さらに、デュアルブートのようにOSをスイッチする必要がなく、Windows 10 とLinuxの同時起動も可能です。

Hyper-V(Windows 10 Homeでは利用できません)
参考サイト:
Windows 10 上に Hyper-V をインストールする

VirtualBox
参考サイト:
Oracle VM VirtualBox

まとめ

Windows 10 とLinuxでデュアルブートにするのは技術的には可能ですが、Windows 10 固有のリスクや問題点も念頭に置いておくべきです。

一方、仮想化ソフトを使えばデュアルブートよりも簡単にWindows 10搭載パソコンでLinuxを起動できます。利便性や手軽さも踏まえて、仮想化も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

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