2020年8月19日Windows 10 でもWindowsエクスペリエンスインデックスが使える?
Windowsエクスペリエンスインデックスと呼ばれる機能は、Windows 10 以降のOSからパソコンを使い始めたユーザにはなじみがない方が大半かもしれません。この機能は、今もパソコンで実行できることは知っていましたか?今回はWindowsエクスペリエンスインデックスの測定方法や、スコアの見方などを解説します。
Windowsエクスペリエンスインデックスとは
Windowsエクスペリエンスインデックスは、パソコンの性能を測定して、スコア表示するベンチマーク機能です。CPU・ディスク・グラフィックス・メモリなどの性能をスコア形式で返してくれます。Windows Vista 以降のOSに搭載されましたが、Windows 8.1 から表示されなくなりました。
実はWindows 8.1 や10にも、Windows エクスペリエンスと同じ機能の計測用コマンドラインは実装されています。「Windowsシステム評価ツール」(Windows System Assessment Tool)と呼ばれる「WinSAT.exe」ファイルがWindows 10 にも存在するのです。
Windows 8.1 以降のパソコンにWindowsエクスペリエンスインデックスが表示されなくなった理由として考えられているのが、ハードウエアの進化です。一昔前はパソコンのスペックによってOSのパフォーマンスが左右されていました。ハードウエアの性能を評価するために、Windowsエクスペリエンスインデックスが必要だったのです。
その後、高性能なハードウエアが開発・発売されたことでスペックを計測する必要性が低くなり、Windowsエクスペリエンスインデックス機能も表示されなくなったと考えられています。
Windows 10 でWinSAT.exeを実行する方法
Windowsエクスペリエンスインデックスに代わる「Windowsシステム評価ツール(WinSAT)」の実行ファイルの使用方法を解説します。
- ①ノートパソコンは電源に接続する
ノートパソコンでバッテリー駆動中だと、コマンドが実行されません。 - ②不要なプログラムやアプリをすべて終了する
ベストパフォーマンスを測定するため、計測の邪魔になるソフトウエア・プログラム・アプリケーションを終了しておくことをおすすめします。 - ③管理者権限でコマンドプロンプトを起動する
「スタート」→「すべてのアプリ」→「Windows システム ツール」→「コマンド プロンプト」を右クリック→「その他」→「管理者として実行」 - ④「winsat formal」を実行して測定を開始する
「winsat formal」と入力してEnterキーを押すと、測定が始まります。この処理には数分ほどかかるので、完了するまでパソコンの操作をせずに待機してください。 - ⑤測定ログを確認する
測定が終わるとWinSAT.exeは自動終了します。測定ログは以下のディレクトリにXMLファイル形式で保存されます。
C:\Windows\Performance\WinSAT\DataStore
ファイル名に「Initial」が入っているものは初回テストの結果です。2回目以降の測定結果のファイル名には「Recent」が付きます。「winsat formal」を複数回実行した場合、「Recent」の中で最新の日付のものが、直近の測定結果です。XMLファイルをメモ帳かブラウザーで開くと、すべての測定ログが確認できます。 - ⑥Windows PowerShellでスコアを確認する
XMLファイルは詳細なログもすべて確認できますが、Windows エクスペリエンスインデックスの各スコアだけを知りたい場合は、以下の手順でサブスコアを確認します。
「スタート」を右クリックして、Windows PowerShell(管理者)を選択。管理者権限でWindows PowerShellを実行します。
コマンドラインに「Get-CimInstance Win32_WinSAT」と入力(またはコピー&ペースト)して、Enterキーを押すと、サブスコアが表示されます。
Windows エクスペリエンスインデックスのスコアの種類
Windowsエクスペリエンスインデックスには、基本スコアとサブスコアがあります。各コンポーネントを評価したサブスコアの中で最も低いスコアを、基本スコアとします。
- サブスコアは下記の通りです。
- ・CPUScore:プロセッサ(CPU)の速度(1秒あたりの計算)
- ・D3DScore:ゲーム用グラフィックスの3D処理のスコア(Windows 8.1/10では計測されない)
- ・DiskScore:プライマリハードディスクのスコア(データ転送速度)
- ・GraphicsScore:グラフィックスの2D処理のスコア
- ・Memory:メモリのスコア(1秒あたりのメモリ操作速度)
- 各スコアの最低値と最高値をOSごとにまとめました。
- ・Windows Vista :1.0~5.9
- ・Windows 7 :1.0~7.9
- ・Windows 8 / 8.1 / 10:1.0~9.9
まとめ
ハードウエアの進化に伴い、Windowsエクスペリエンスインデックスは必要性が感じられなくなったという見方もできます。とは言え、Windows 10 を快適に使いこなすにはスペックのチェックは定期的に行っておくべきです。
また、HDDを使用している場合はデフラグも定期的なメンテナンスとして実行しましょう。Windows 10 のデフラグの仕組みや手順は、こちらの記事を参考にしてみてください。
参考サイト:
Windows 10 フラグはどう設定すればよい?自動スケジュール機能の仕組みを知る