2019年12月05日Windows 10 のバージョンとは?
Windows 10 は今後バージョンアップしないと言われています。しかし、実際にはバージョンアップに相当する更新が行われ、管理番号も存在します。また、開発コードや、マーケティングネーム、ビルドなど、世代を識別する呼び方が複数存在しているため、一見複雑です。
今回は、Windows 10 のバージョンの名前や意味について解説します。
Windows 10 になって変わった「バージョン」の扱い
従来のWindowsは、Windows 7 、Windows 8.1 、Windows 10 の順に、Windows以降に付加された数字で「バージョン」を表していました。まずはWindows 10 より前と、後の「バージョン」の意味の変化について説明します。
従来の「バージョン」
Windows 10 より前のWindowsでは、バージョンが変わるとUIが変更され、大幅な機能追加が行われました。Windows上で動作するアプリも、新しいバージョンのWindowsでは動作しなくなり、買い替えや修正が必要となることもありました。
Windows 10 からはこのバージョンの更新が廃止され、今後はWindows 10のまま、従来の「バージョン」に相当する数字は変わらないとされています。
Windows 10 の「バージョン」の意味
Windows 10 には、従来の「バージョン」はなくなりましたが、機能の追加や改良は継続して進められています。これは機能更新プログラムと呼ばれ、およそ半年に一回実施されています。この周期は半期チャネルと呼ばれています。
機能更新プログラムを識別するために番号や名前が付けられており、この番号も「バージョン」と呼ばれているため、混乱しやすい状況になっています。
呼び方の種類
Windows 10 のバージョンには、さらに3種類の呼び方があります。それぞれ「バージョン」「開発コード」「マーケティングネーム」と呼ばれています。この呼び方は通称のため、開発コードをコードネームと呼んだり、マーケティングネームをアップデート名や製品名と呼んだりと、統一はされていません。
Windows Updateとバージョン
Windows UpdateとはWindows 10 の機能追加や不具合の修正などを定期的に行うイベントです。
Windows Updateには以下の5つの種類があります。
- ・機能更新プログラム
- ・品質更新プログラム
- ・定義更新プログラム
- ・ドライバー更新プログラム
- ・その他の更新
このうち、機能更新プログラムがもっとも大きな変更が含まれており、配布の際にWindows 10 のバージョンが更新されます。
バージョン一覧
これまでに実施されたWindows 10 の機能更新プログラムは以下の通りです。
呼び方として、「バージョン」「開発コード」「マーケティングネーム」がありますが、実態としては同じ機能更新プログラムを指しています。
バージョン/開発コード/マーケティングネーム
1507/Threshold1(TH1)Relesed in July 2015
1511/Threshold2(TH2)/November Update
1607/Redstone1(RS1)/Anniversary Update
1703/Redstone2(RS2)/Creators Update
1709/Redstone3(RS3)/Fall Creators Update
1803/Redstone4(RS4)/April 2018 Update
1809/Redstone5(RS5)October 2018 Update
1903/19H1/May 2019 Update
バージョンとビルド
更新プログラム以外のアップデートではバージョンは変わりませんが「ビルドナンバー」が更新されます。ビルドナンバーと言うのは、プログラム作成時の管理ナンバーで、短縮して「ビルド」とも呼びます。
ただし、これも必ずしも厳密な呼び分けではなく、「ビルドナンバー」や「バージョン」という言葉が混同して使われているケースも多くあります。
Windows 10 には、更新プログラムのアップデートによりアプリが動かなくなった際の対処として、バージョンを元に戻す機能がありますが、「バージョン」と「ビルド」と言う言葉が混在して使われています。
おおむね、ビルドナンバーの大きなくくりがバージョンに相当するといった程度の違いでしかありません。
バージョンとビルドの確認方法
お使いのWindows 10 のバージョンやビルドを確認する際には、以下の操作で可能です。
「Windowsの設定」→「システム」→「バージョン情報」
まとめ
Windows 10 になって「バージョン」と言う言葉の使い方が変わったため少し混乱が生じていますが、OSの世代を管理するための番号だと思えば、大きな間違いではありません。
バージョンやビルドが古いままだと、新しい機能が使えなくなり、セキュリティや不具合対策が不十分となります。最新バージョンに更新すると、古いアプリが使えなくなる場合があるという点を覚えておけば、不具合が発生した際に解決のヒントになるでしょう。