2018年9月26日Windows 10 に必要なセキュリティソフトとは。Defenderのカバー範囲と市販ソフト
情報検索やデータの送受信など、インターネット利用がメインになりやすいPC作業。常に不正なアクセスによる情報漏えいやフィッシング詐欺のリスクがあるため、セキュリティソフトの導入は必須です。 Windows 10 には、「Windows Defender」というセキュリティ保護機能がデフォルトで搭載されていますが、他のセキュリティソフトを導入することは必要なのでしょうか。「Windows Defender」ができない範囲に加え、不足した部分を補完できる市販のセキュリティソフトについても紹介します。
セキュリティソフト不要説について
冒頭でもお話しましたが、 Windows 10 には、 Windows Defenderというセキュリティ保護機能が標準搭載されています。そのため、「市販のセキュリティソフトは不要なのか?」と疑問を持つユーザーは少なくありません。まずは、 Windows Defenderでカバーできる範囲とできない範囲について説明します。
Defenderのカバー範囲(含まれる機能)
・Windows Defender ファイアウォール
ファイアウォールとは、通信にあたりネットワークプロトコルレベルで不正な通信ブロックする機能です。アクセス許可の無い通信はこの機能によって遮断されます。
・クラウドベースの保護
不審なファイルを発見した際に、クラウド経由で最新のデータベースに問い合わせして危険度を判定する機能です。
・Windows Update
Windows 10 では原則的に月に1度のUpdateが実行され、セキュリティを最新の状態に保ち続けます。
・SmartScreen
なんらかのWebサイトにアクセスしようとした際に、リストを参照して危険度の高いサイトである場合には確認を要求する機能です。有効の場合、該当するページと一緒に警告が表示されます。
・Exploit Protection機能
OSそのものの脆弱性を軽減し、セキュアな環境を維持する機能です。デフォルト状態で有効となっているため、そのままの運用で安全性を高められます。
・ユーザーアカウント制御
PCを操作する際に用いるユーザーアカウントには管理者と標準の2種類が存在します。管理者としての権限を持っていないアカウントからは、PCに大きな影響を与えるアプリケーションのインストールや設定の変更ができません。
・パスワード保護機能
ネットワーク上でPCを共有する際には、そのコンピュータのユーザーアカウントとパスワードを持っていなければアクセスができなくなります。
・バックアップと復元
外付けのHDやその他の記憶媒体にバックアップを保存し、システムが破損した場合などに容易に復元することができます。
Defenderでカバーできない範囲
市販のセキュリティソフトには Windows Defenderには無い機能が含まれています。
・ふるまい検知
通常、ウイルスなどのマルウェアの検知は、過去に検出された例から作成されたパターンファイルとの比較によって行います。しかし、この方法ではまだパターンファイルに載っていない最新のウイルスには対応できません。「ふるまい機能」を有効にしていれば、未知のタイプであってもプログラムの「ふるまい」から、ウイルスである可能性が高いと判断できる機能してくれます。
・迷惑メールブロック
かなり基本的なことですが、メールをフィルタリングして、スパムメールなどの迷惑メールをブロックする機能です。
・広告ブロック
Webサイトの閲覧時、勝手にポップアップされる広告をブロックする機能です。情報を検索した際、毎回広告が邪魔だと感じている人にとっては、有効でしょう。
各種セキュリティソフトの紹介
それでは、Windows Defenderではカバーできない部分を補ってくれるセキュリティソフトをいくつか紹介します。
Avira(無料版)
Avira Operations社が開発した無償のセキュリティソフトです。マルウェアだけでなく広告のオンライントラッキング(サイト回遊の履歴のようなもの)もブロックできます。
アバスト(無料版/有料版)
アバストは、無料のセキュリティソフトとしては世界シェアNo.1を誇ります。日本語でのサポートも開始しており、セキュリティ性能も高く評判です。有料版では、無料版で可能なマルウェア対策やパスワードセキュリティ機能に加え、偽サイトでのフィッシング対策、ファイアウォール機能の強化。また、迷惑メール対策やアプリの自動更新など、より高いセキュリティ機能を持っています。
マカフィー(有料版)
マカフィー社は、コンピュータセキュリティ関連として世界一の規模を誇り、PC用のセキュリティにも定評があります。有料版のセキュリティソフトであるマカフィーは「台数無制限」のため、複数のPCやタブレット、スマートフォンを保有していても一括で導入可能です。PCスペックを問わない動作の軽さと、2018年版より導入したAIを駆使した新システムにより、常に高いセキュリティレベルを維持しています。
Windows Defenderの持つ機能に加え、ファイアウォールの強化、データの暗号化、保護者機能、パスワード管理、スパム対策など考えられるほぼすべての機能を網羅しています。
無効化の設定方法について
有料版のセキュリティソフトは、Windows Defenderに含まれる機能は保有しているため、2重に用いるとPCのスペックを無駄に消費してしまいます。このような場合は、Windows Defenderを無効化すれば、デバイスの動作を軽くすることが可能です。
Windows Defenderは次の手順で無効化できます。
「スタート」>「設定」>「更新とセキュリティ」>「Windows セキュリティ」>「ウイルスと脅威の防止」>「ウイルスと脅威の防止の設定」を選択する。
「リアルタイム保護」の項目をオフにする。
Windows Defenderを無効にする際には、代わりに導入するセキュリティソフトの機能を十分に理解し、必要なセキュリティが確保されていることを確認してください。
安全な環境で作業しよう
Windows Defenderは、従来の Windows の標準セキュリティソフトと比較して、高い安全性を確保できるようになりました。用途によってはこれのみで運用できますが、市販のソフトを用いることでより安全な運用が可能です。自分のPCの使い方や Windows Defenderよって、できることできないことを理解し、市販のセキュリティソフトも活用してみてはいかがでしょうか。