2018年6月11日Windows 10 ・2018年春のアップデート内容とは
2018年4月30日、Windows 10 の大型アップデートが実施されました。当初は「Windows 10 Spring Creators Update」として知られていましたが、その後「Windows 10 April 2018 Update」として公式に公開されました。
新たに追加されたのは、「Windows Timeline」、「Near Share(近距離共有)」、「Diagnostic Data Viewer(診断データビューアー)」の3つの機能。よりパソコン作業を円滑にし、セキュリティ面に配慮した更新内容です。各アップデート内容の詳しい機能や利用方法など、具体的に紹介します。
Windows Timeline
概要/機能
「Windows Timeline」は従来の「タスクビュー」の拡張機能に近く、現在起動しているタスクと過去の閲覧履歴をカード形式で一覧表示できます。表示対象となるタスクは、主にExcelやWordなどのドキュメントを扱うアプリケーションです。
タスクビューとの最大の違いは、「過去に使ったアプリ」をただ表示するのではなく、複数のデバイスで共有できる点です。過去に行った作業へスムーズに移動・開始する事を目的としているため、同じアプリケーションで扱った異なるドキュメントも別カードとして表示されます。
Windows Timelineの表示画面上では、最上段に現在起動中のタスク、下方に閲覧履歴が続きます。基本的にアプリ単位で表示され、日付、時間軸で表示されていますがキーワード検索も可能です。
利用シーン/メリット
過去の作業画面へスムーズに移動できるだけでなく、過去の作業を再開できます。複数のウィンドウを同時に開いて進める作業。マルチタスクになりやすいケースでは効率よく進められるでしょう。
また、Timelineの履歴はMicrosoftアカウントを通じて共有されます。このため、ノートPCやタブレットなどを併用している場合でも、端末間でシームレスに作業を引き継ぐことが可能です。
ただし、過去の閲覧履歴を、ネットワークを通じて共有するシステムであり、プライバシーやセキュリティには気を付けたいところ。使用する際にはアカウント管理の徹底やパソコンから離れる際は電源をOFFにするなど対策が必要でしょう。
Near Share(近距離共有)
概要/機能
「Near Share」とはBluetoothと無線LANを使用した近距離共有システムです。ファイルやWebサイトのURLを、ネットワークを経由せずダイレクトに送受信できます。現在のところ、この機能を利用できるアプリケーションはEdgeとWindows エクスプローラーの2つです。
この機能を利用する際には、それぞれのアプリケーションの「共有」を開き、送信先のPCを選択します。このとき、両者の端末のBluetoothとWi-Fiがオンになっていることを確認してください。
送信が完了すると受信側に共有の通知がされ、ファイルやURLの保存ができます。データの受信が不要な場合は拒否することも可能です。
利用シーン/メリット
社内で使うファイルやURLの迅速な共有に役立つでしょう。社内であれば、セキュリティ保護された回線で送受信できるので、情報漏洩のリスクを減らせます。
また、一度外部のサービスにアップロードしてPCのローカルに落としてもらう、という手間も省けます。
Diagnostic Data Viewer(診断データビューアー)
概要/機能
「Diagnostic Data Viewer」は、利用者のデバイスからMicrosoftに送信される情報を閲覧できるアプリです。元々PCの利用データは、分析・開発に役立てられるためにMicrosoftに送信されています。個人情報を含まないデータですが、その内容は利用者から確認できませんでした。
しかし、このアプリでは、データ収集に関する送信内容を利用者が把握でき、透明性を高めることに成功しています。
利用について
企業に送信される診断データには「OSの名称」「デバイスID」「周辺機器」「設定」などPC環境の詳細データが含まれています。このアプリを用いると送信されたデータをユーザが閲覧できます。
今後のアップデートにも期待
今回のアップデートにより、利便性の向上に加えMicrosoftとユーザ双方の信頼関係を築くセキュリティアプリが提供されました。まずは個人で使いやすさを試して、チームやオフィス全体で新しい機能を活用してみてください。