2018年3月8日 Windows 10 の移行はお早めに!企業が知っておくべき注意点
Windows 7 の延長サポート終了が2020年1月14日に迫り、Windows 7 の次世代OSであるWindows 8.1 もメインストリームサポートが2018年1月9日に終了。延長サポートは2023年1月10日まで続きますが、サポート終了後は新たに見つかった脆弱性の修正が行われず、ウィルスや不正プログラムなどの攻撃を防ぐことができなくなるため、新OSであるWindows 10 への移行が望まれます。
Windowsの利用者は、早めに移行準備を進めて環境や動作のチェックを行わなければ業務に支障がでてしまうでしょう。ここではWindows 10 の特徴や移行に関する注意点についてご紹介します。
早く移行したほうが良い理由
企業内で使用しているアプリケーションの互換性の確認や、専用ソフトのバージョンアップなど、OS移行にはさまざまな作業と時間が必要なため、余裕を持ったスケジュールと予算で動くことが必要です。
特に、サポートが終了する前年には、一定数の駆け込み需要が発生すると予想されます。
過去にあったWindow XP からWindow 7 への移行のケースをみてみましょう。2014年4月にWindows XP サポート終了の際は、移行に関する認識が甘かったゆえにサポート終了の直前に駆け込み移行を行う企業や自治体がいたケースがあります。企業の基幹システムや専用ソフトの改造などの需要が急増し、エンジニアが一時的に枯渇するなど多くの問題が発生しました。結果的にXPのサービス終了までに移行作業が完了できない企業もあったようです。
このような過去のケースもあり、時間がかかる検証作業や調査、費用や社内のリソースを考えれば、サポート期間中に速やかに移行を進める事が大事だとわかります。
移行後のビジョンは「WaaS」を知ってから
移行先となるWindows 10 は、これまでのOSとは異なり「WaaS(Windows as a Service)」と言う概念により運用されます。WaaSでは、Windows 7 からWindows 10 に移行する様なメジャーアップグレードは行わず、Windows 10 のまま、細かな機能の追加や改良で更新を継続していきます。
これまでは、セキュリティ機能の更新や細かな仕様変更などは「Quality Updates(累積的な更新プログラム)」として月1回配信さており、3~4年のサイクルのメジャーアップデートでOSの刷新が行われていました。Windows 10 では、Quality Updatesに相当する品質更新プログラムはこれまで通り月1回実行される他、新たな機能を追加する機能更新プログラムが年に2回配信されます。WEBの発達に伴い、サイバー攻撃による被害はますます増加し、その手法もめまぐるしい速度で変化しています。WaaSはこのようなPCを取り巻くリスクの変化に素早く対応する為に導入されたものです。
頻繁な更新が入るため安心感がありますが実は落とし穴も。スペックの低いパソコンに入れ替えてしまうと早々にアップデートされたOSに対応できなくなる可能性が出てきます。
作業一つ一つの動作が大幅に重くなってしまうと業務にも支障が出てしまいます。パソコン本体を入れ替る場合は長期間使えるようにスペックに余裕をもって入れ替えをしましょう。
また、Windows 10 ではUI(ユーザーインターフェース)が刷新されており、デスクトップ環境で使用しやすいデスクトップモードと、タブレットモードの2種類のUIを切り替えて使用することができます。小売店や事務所外等、タブレット端末を使用するケースも増えており、ワークスタイルに合わせてデスクトップPCやモバイル端末などさまざまなデバイスでシームレスに利用可能です。
自動更新回避で充分な検証を行う
自動更新は、日々発生するWeb上の脅威からPCを守るために導入されましたが、OSのシステム更新を伴います。
そのため、更新の内容によっては既存のサービスやアプリケーションが正しく使用できなくなる可能性がでてきます。社内PCには自動アップデートを実施せず、事前にアプリケーションの動作試験を行う必要があります。互換性検証の頻度も高くなるので、検証項目や方法を定め、効率よくアップデートに対応できる体制を整えておくと良いでしょう。
中小企業や専門家がいない場合は早めに行う
サポート終了後のOSを使用し続ける事は、セキュリティリスクがあるほか、自社のPCを踏み台としてクライアントPCに損害を与える可能性も考えられます。
今後も最適なPC環境で業務を行うためにも、延長サポート終了までにOSの更新を済ませる事は必須です。人員が少なく、情報システム部門やPC専門の人員がいない場合は、移行自体の着手遅れや検証作業に時間がかかります。また、更新に伴う費用が発生する可能性もあるため、思わぬ出費とならないためにも計画性が求められます。データのバックアップや検証に必要な対策をとり、状況を見て余裕をもって進めましょう。
脚注 : Windows は米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標です。